Class of 2018 – Case5

留学形態:社費
勤務先:農林中央金庫
職歴:8年
職種:金融機関
大学名:東京大学
大学時代専攻:法学部第I類(私法コース)
GPA:3.0
TOEFL:108(R29 / L29 / S23 / W27)
GMAT:710(V36 / Q50 / IR7 / AWA4.0)
海外経験:旅行程度

Why MBA?

・幼少期から漠然と海外への憧れを抱いていましたが,元来,自分の殻に閉じこもりがちで何かに挑戦することが苦手な性分でしたので,留学については見て見ぬふりをしていました。
・しかし,勤務先で,メインバンクとして水産加工会社の事業再生をリードする経験を経て,辛い環境こそが自身を成長させてくれるのだと思うに至りました。生活環境や文化も異なり,言葉も満足に通じない中で,世界中から集う猛者達と日々議論を交わすMBAは現実的に取り得る選択肢の中で最も自分に厳しいものだと思いましたので,ビジネスマンとして成長するのに最適な環境であるとの想いから,MBA受験を決意しました。
・また,実際に取引先に対し事業再生に向けたアドバイスを行う中で,自身のスキル不足を痛感し,「どうすれば経営資源を用いて企業の経営を最適化出来るのか」について強い関心を抱くようになりました。経営にかかる知識を体系的・網羅的に学べるMBAは,その点でも大変魅力的でした。
・さらに,私はいわゆる純ドメですが,勤務先が日本を代表する機関投資家として国内外に広く投資を行っている状況下においては,英語力やインターナショナルな環境下での対人スキル向上は必須と考えました。その点においても,MBAは最高の環境であると判断しました。

Why Fuqua?

1.    エッセイに書いたWhy
・Tight-knit, collaborativeなカルチャー
勤務先は非常に特殊な金融機関で,物事を動かしていくために様々な関連団体を巻き込み,動かしていく必要があります(どの会社もその会社単独で何かをすることは不可能だと思いますが,私達の業界は特に構造が複雑で,他団体との密接な協力が必須となってきます)。そうした背景から,当初より,「何を学ぶかも大事だが,“どう学ぶか”の方がより大事だ」と思っていましたし,チームワークを重視する校風・カリキュラムの中で,人を巻き込み動かしていくリーダーシップを向上させたいと考えていました。その点,チームワーク重視の校風で名高いFuquaは非常に魅力的でした。エッセイの中には,在校生の方から聞いたお話,在校生の方に感じたfit感を,具体的なエピソードと共に盛り込み,自分がいかにFuquaを魅力的だと感じているかを伝えることを意識しました。

・全方位に強い(特定の科目に偏らない)プログラム, 学生の多様性
 前述したように,「どうすれば経営資源を用いて企業の経営を最適化出来るのか」について強い関心を抱いていましたので,金融機関に勤めてはいますが,financeに強い(特化した)学校というよりも,general managementに強い学校を志望していました。また,クラスでの学びも大切ですが,同じ学生からの学びの方がより多くのものを自分に与えてくれると考えていましたので,集まる学生の興味・バックグラウンドという意味でも,financeに偏らずdiversifiedされた学校が良いと考えていました。Fuquaは,もちろんfinanceにも定評はありますが,health careを中心に他の科目全般に強く,バランスの取れたカリキュラムが非常に魅力的に映りました。また,health careをはじめとして自分が今まで経験したことのない分野に興味を持っている学生も多いため,自身の視野を広げるという意味でも最適な学校だと感じました。

2. エッセイに書かなかったWhy
・visitを通じて感じたキャンパス・人の魅力
“書かなかった”というより,エッセイ執筆の時点で経験していなかったため“書けなかった”というのが正しいのですが,実際に現地を訪れてみて,Fuquaのキャンパスは本当に素晴らしいと感じました。ここでいうキャンパスというのは,単純に建物を指すのではなく,空間・雰囲気・学習環境等を指しています。上手く言葉で言い表せないのですが,Fuquaのキャンパスは開放的で,人種等は関係なく人と人とを繋ぎ合わせる柔らかく温かい雰囲気で溢れています。私は何校かvisitしたのですが,Fuqua訪問時が一番心地よく感じ,多国籍の方と自然と沢山話して友達が出来ました(visit時に出会った中国人の女性とは,今でもやりとりをしています。彼女は一年受験を遅らせたようですが)。
また,visit時に日本人以外の方を含めた色々な方とお話しをして, Fuquaの方の魅力・人間力はズバ抜けていると感じました(主観的な意見でしかありませんが,受験生の皆さんも実際にvisitされれば分かると思います)。visitの際,日本人在校生の方は,初対面の私の話を親身になって聞いて下さり,また,visitの際にちょっとしたミスをしでかした私を心から心配してくださり,予定時間を大幅に超過して対応してくださいました。自分のことだけを考えるのではなく,自分が大変でも周りの方にも気を配ることが出来る,人として魅力的な方が多い学校だと感じました。

・治安,暮らしやすさ
 私は、妻同伴での留学となるため,学校選定の際に治安を重要視していました。街全体が完全に安全,という場所はアメリカ中を探してもどこにもないのだと思いますが,実際にDurhamで日本人在校生夫妻+そのお子さんと夕飯を共にさせていただいて,治安面も特段問題なく,家族が楽しんで暮らせる環境なのだということがよくわかりました。また,その奥様は,community collegeで英語を熱心に学ばれていたり,自分の趣味に興じていたり,Durham生活を心からenjoyされていることがひしひしと伝わってきました。「ここで暮らすことが出来れば,私も妻も,最高の2年間を過ごすことが出来る!」と強く感じたことを覚えています。

2.    出願後に感じたこと
 合格した後に,卒業生の方や私と一緒に入学する同期が集まる会に出席しましたが,visitで感じた雰囲気そのままに,皆さん本当に明るく,優しく,親切で,皆さんとの交流を通じ,「自分にとってのright schoolはFuquaだ」と強く感じました。また,自分の学校のことを愛してらっしゃる方々ばかりで(Fuquaのことを悪く言っている卒業生の方とお会いしたことがありません),Fuquaは本当に素敵な学校なのだと確信しています。これから始まる2年間を,素晴らしい同期とともに過ごせることを,心から楽しみにしています!

受験プロセス

2014年   5月   MBA留学を決意。AGOSのオンライン講座でTOEFLの勉強開始。
2014年 8月 社内選考に応募。初回TOEFL受験(97点)。
2014年 9月 第2回TOEFL受験(93点)。
2014年10月   社内選考通過。第3、4回TOEFL受験(103点、107点)。早期に105点を突破できたことに安堵。
2014年11月 第5回TOEFL受験(104点)。TOEFLから一旦撤退。GMAT勉強開始(AGOSのオンライン講座受講)。
2015年 5月 初回GMAT受験(650点)。
2015年   6月   第2回GMAT受験(710点)。エッセイカウンセリングをスタートし,エッセイ作成に注力。
2015年 9月 1st roundにて3校出願。
2015年10月 1st roundにてFuquaを含む2校に追加出願するとともに,Fuquaを含む出願校にビジット。
2015年11月 第10回TOEFL受験(108点)。
2015年12月 Fuquaからwaitlistedの通知を受領。
2016年   1月 2nd roundで複数校出願。Fuqua へのウェイト対策エッセイ第1回目提出。
2016年 2月 各校面接実施。Fuqua へのウェイト対策エッセイ第2回目提出。
2016年 3月 Fuquaから合格通知受領。Fuquaに進学決定。

受験プロセス

TOEFL

・AGOSのオンライン講座を指示通りにこなしました。人によって合う・合わないはあると思いますが,個人的にはとてもよくまとまった教材だと思いますし,AGOSの教材だけで十分に対応可能だと感じました。
・TOEFLに関しては,①とにかく毎日英語に触れること(読む,聞く,話す,書く, の4技能を高める訓練を毎日すること),②問題形式に慣れること,③なかなか点数が出なくても諦めずに本試験を受け続けること(never give upの精神),の3つに尽きるのではないかと思います。私は遠隔地(北海道)からの受験だったこともあり,何かと安心かつオンライン対応可能なAGOSを使いましたが,先生・教材と自分を信じてやりきることに尽きると思います。

GMAT
・AGOSのオンライン講座を指示通りにこなした後,GMAT KINGを用いて徹底的に演習を積みました。
・GMATに関しては,①問題を解く際に,What(答えは何か)ではなくWhy(何故その答えが正解なのか)を意識する,②自分が犯しやすいミスを把握し,それを改善するためのPDCAを回し続ける,③時間を意識しつつ徹底的に演習を積む,ということが肝要になってくると思います。非常に対策をとりづらい特殊な試験で,個人的にも大変苦労しましたが,キチンとした対策を取れば絶対に得点に繋がってくると思います。

エッセイ

“Why Fuqua”
 基本的には,「エッセイに書いたWhy」の部分をそのまま書きました。具体的な授業名や,実際にお話しした在校生・卒業生の方のお名前とエピソードをなるべく具体的に盛り込むことを意識していました。
ウェブ検索だけの情報ですと力強いエッセイは書けないと思います。Fuquaの良さは定量的なところでは測りきれない定性的な部分だと思いますので,沢山の在校生・卒業生の方とお話をして,Fuquaのカルチャーを感じていただければ(そしてそれにfitを感じていただければ),自然とよいエッセイが書けるのではないかと思います。

“25 Random things”
 自分にまつわる25の事柄を,なるべく一つの話題に偏らないように書きました。仕事,自分の価値観,趣味…など色々書きましたし,過去の恋愛の失敗談等も隠さず書きました。Be myselfを意識し,嘘偽りなく自分という生身の人間を表現することだけを考えれば,よいエッセイが書けるのではないかと思います。これは完全に私の私見ですが,このエッセイは“どれだけ人間味を出せるか”ということが勝負になってくるのではないかと感じています。

インタビュー

インタビューは11月末に東京のインタビュアーのオフィスで行いました。チームワークに関する質問が非常に多く,また一見似てはいますが微妙にニュアンスの異なる質問が多かったため,個人的にはMBA受験の中で最も難易度の高い面接だったと感じています。但し,インタビュアーの方は,インタビュー終了後に気さくに話してくださり,また,面接内容についてもポジティブなフィードバックをしていただき,非常に気持ちのよい面接でした。「Fuquaは本当に素敵な学校だ」とおっしゃっていたことが非常に印象に残っており,自分の学校を愛していらっしゃる方に面接をして頂けたことがとても光栄でした。

最後に

Fuquaは日本での知名度という意味ではまだまだ改善の余地はありますが,本当に素晴らしい学校だと思っていますし,私もクラスメートに会うのが今から待ちきれません。是非ともビジットしていただき,また,沢山の卒業生・在校生の方とお話ししていただく中で,Fuquaの魅力を一人でも多くの方に感じて頂ければと思っております。自分がして頂いたことは受験生の皆さんにお返ししたいと思っていますので,是非ともご連絡いただければと思います。