医療

アメリカでは、病院にかかる場合は基本的に予約が必要となります。特に婦人科医・泌尿器科医など専門医の場合予約を取るのに1週間以上待つ場合もあります。さらに医療費が驚くほど高いので、料金、自身の医療保険の適用の可否、支払方法等を事前に確認するよう習慣づけましょう。
言葉、習慣の違う国で病気になると、必要以上に不安になるものです。いざという時のために、自分が病気になったらどこの医者にいくか事前に確認しておくことをお勧めします。持病のある人は、日本の主治医に英文の診断書を何通か書いてもらい、現地のPrimary Doctorに引き継いでもらうとよいでしょう

1.医療保険

先にも述べたように、アメリカの医療費は、諸外国に比べて、非常に高額です。個々人が自己の責任で、医療費を負担しなければなりません。こちらで、病院に行くと、まず医療保険への加入の有無を質問されます。医療保険なしでは受け付けてもらえない、もしくは受け付けてもらえたとしても、非常に手間と時間がかかります。アメリカで生活する以上、医療保険への加入は必須条件といえるでしょう。

留学生は、Blue Cross Blue Shield が提供する医療保険への加入が基本的に義務付けられています(社費留学生でアメリカの保険に加入できる場合など、例外あり)。家族も追加費用を支払うことで加入することが可能です。日本やその他海外にも提携病院あり、対象病院であればアメリカと同程度の保険が適用できるため、 健康保険を気にしなくて済みます。

2.Primary Doctor

Primary Doctorというのは「ホームドクター」のことです。内科を中心に医学全般に通じ、診断及び簡単な治療や薬の処方・場合によっては専門医や大病院への紹介を行う開業医のことを言います。
Duke大学の生徒は、任意の医療保険とは別に、Health Feeの支払いが義務付けられており、学費と共に請求されます。このHealth Feeを支払うことで、Dukeの学生は、Duke Student Health Centerのサービスを無料で受けることができます。通常の風邪や怪我、年に一度の定期健診などは、この制度でカバーされます。薬剤費、救急医療、歯科、眼科、出産、予防接種等はカバーされません。学生本人については、これが下記Primary Doctorの代わりとなります。従って、学生本人は、Primary Doctorを探す必要がありません

Duke Student Health Center

Duke University DUMC Box 2899, Durham, NC 27710

(919) 681-WELL(通常予約)

(919) 684-2413(Emergency)

しかし、家族はDukeの保険に加入していても、Student Health Centerで診てもらうことはできません。特に子供に関してはホームドクターを決めておくと良いでしょう。具体的には、現地に到着後、通常検診の予約を取っておくといいでしょう。こうしておくことで、病気になった場合に、スムーズに診察の予約を取ることができます。どこが悪いか明らかな場合には、直接大病院の専門医の予約を取ることも可能です。

(1)大人用あるいは、子供用のホームドクター

Duke Family Medicine Center

Marshall Pickens Building, 2100 Erwin Rd., Durham, NC 27710

(919) 684-6721(通常予約)

https://www.dukehealth.org/locations/duke-family-medicine-center

Erwin Rd.とTrent Rd.の角にあります。主にDuke関係者の家族を対象としたクリニックです。Duke Hospitalと比較すると、建物もやや古く、雑然とした印象ですが、Duke Hospitalに隣接しており、Duke University Medical Centerの一部門なので、ここで手に負えないものはDuke Hospitalに管轄が移り、治療をしてくれるというシステムです。

Timberlyne Family Medical Center

110 Timberhill Place, Chapel Hill, NC 27514

(919) 942-8500

チャペルヒルに住んでいる家族には便利なクリニックです。Duke University Medical Centerの提携医院です。

Lakewood Pediatrics & Family Care, P.A.

2400 Broad St., Durham, NC 27704

(919) 220-3333

Durhamダウンタウンの北に位置します。内科のホームドクターとして利用できます。家族まとめて面倒みてくれます。

(2)小児科専門のホームドクター

Duke Children’s Primary Care(以下の三ヶ所のいずれかで受診)

4020 North Roxboro Rd., Durham, NC 27704(Roxboro Rdと Pacific の交差点すぐ)

6300 Herndon Rd., Durham, NC 27713(サウスポイントの向かい)

3024 Pickett Rd., Durham, NC 27705

(919) 620-5333

http://dukehealth1.org/childrens_services/facilities.asp(outpatient primary careを参照)

小児科外来、一般的な診療をするクリニックで、Duke University Medical Centerの一部です。Duke Hospitalで出産した場合には、当医院のドクターを紹介してくれます。外来も受け付けていますが、日によって診察する医師が違います。事前に予約すれば、自分のホームドクターに診てもらうことができます。

Durham Pediatrics

2609 North Duke St., Suite 1000, Durham, NC 27704

(919) 220-4000

http://dukehealth1.org/facilities_locations/duap_durpeds.asp

Duke University Medical Centerの提携医院です。夜中は緊急以外は直接は診てくれませんが、電話にてドクターが指示を出してくれ、翌朝病院へ行くというシステムになっています。緊急時は夜中もドクターがオフィスへ来てくれます。

Chapel Hill Children’s Clinic

109 Connor Dr., Suite 103, Chapel Hill, NC 27514

(919) 967-0771

UNC大学病院の提携医院です。月曜から金曜日に予約して診察を受けられます。時間帯によっては予約無しで直接受診することも可能です。(Walk-In Clinic Hours)

3.大学病院

Duke University Medical Center

Trent Drive, Durham, NC 27710

(919) 684-8111

全米でも屈指の大学病院です。もしもの時には、医療技術の進んだ米国の中でも最先端の医療サービスを受診することができます。

UNC大学病院

101 Manning Dr., Chapel Hill, NC 27514

(919) 966-4131

UNCも全米で優秀な病院の一つに数えられ、多くの日本人留学生や、研究員を受け入れています。病院は、総合病院、小児科、精神科、歯科の四つに大きく分かれています。特に歯科はDuke University Medical Centerにはないので、利用価値は高いでしょう。歯科については、下記4「その他の専門医」を参照してください。チャペルヒルに住まれる方は、こちらをメインの病院に考えてもいいでしょう。

4.その他の専門医

(1)歯科

学校が提供する医療保険の基本プランでは歯科はカバーされず、全額自己負担になります。歯の治療は日本で全部済ませておくか、不安のある方は、別途歯科もカバーされる医療保険の特約を購入すると良いでしょう。こちらの歯科の技術は概ね日本と同じです。但し美容歯科ではない一般の歯科治療では特注しないと詰め物はグレーのセメント剥き出しなど作業が割と大雑把、カバーをかけずに治療するので水しぶきが服に飛び散るなど日本のほうが丁寧・精巧な印象です。一方さすがアメリカ、歯科医・看護婦は日本より親切・フレンドリーで相談しやすいです。

UNC Dental School

Tarrson Hall, Manning Dr., Chapel Hill, NC 27599

(919) 966-2805(Patient Admissions Service)

Duke University Medical Centerには歯科がなく、UNCの歯科を利用する人が多いようです。技術も高く、小児科専門医もいます。また、治療の前に診断・治療費用の話し合いをきちんと行って、納得した上で治療開始となるので安心です。治療費もほかの歯医者に比べると安いようです。但し、予約で込み合い、治療までに時間がかかります。

(2)婦人科

==こちらで出産を考えている場合の留意点==

①保険への加入

一般的に、米国の医療費は高額であると言われますが、出産費用も例外ではありません。通常の出産でも$15,000程度、帝王切開等特別な処置を必要とした場合、$30,000~$50,000かかることもあると聞きます。こちらで出産を予定される場合には、出産費用をカバーする医療保険に入っておく必要があります。また、初診の予約の際には、必ず加入している医療保険について聞かれ、保険の有無、加入している保険の種類によっては、手続きが煩雑となったり、予約ができない場合があります。(上述1.医療保険参照)

②クリニックの選択

自身の加入している医療保険、系列の病院、評判、利便性等を考慮し、クリニックを選択します。Duke大学の関係者の場合は、Duke General Obstetrics and Gynecology Division(下記参照)で診察を受け、Duke University Hospitalで出産するケースが多いようです。

③診察

検診の頻度は、日本とほとんど同じで、28週目までは4週間に1回、その後35週目までは2週間に1回、36週目からは毎週になります。超音波検査は異常がない限り、妊娠期間を通じて1回だけで、また内診もほとんどないという点は日本と大きく異なっています。 毎回の検診は完全な個室で行われ、質問に対しては医師も非常に親切に答えてくれます。

④出産準備クラス

“Prepared Childbirth Class、”Baby Care Class”、”Breastfeeding Class”といった出産準備クラスがDuke大学の関連施設や、地域のコミュニティで行われています。また、実際に出産する病院の見学ツアーやマタニティ・スイミング等もあります。これらの情報は産婦人科のクリニックで入手可能です。

⑤出生届

こちらで出産した場合、生まれた子供は二重国籍を取得することができます。米国の出生届けについては、出産時に、病院にて担当の方が手続きをしてくれます。退院時には子供の名前を記載して必要書類を提出することになります。出産前に、赤ちゃんの名前を聞かれることも多いので、入院前には子供の名前を考えておいた方がいいと思います。ノースカロライナ州では、出生後90日経過後に、Birth Certificateの入手が可能となります。

日本国籍の留保のための、出生届けは出産から3ヶ月以内に行うことになっています。ノースカロライナ州の場合、アトランタ領事館へ届け出ることになります。出産前に、出生届けの手続きの確認、出生届の用紙の請求、出生証明書の用紙のプリントアウト等必要な手続きを済ませておくことをおすすめします。

Duke General Obstetrics and Gynecology Division(以下の三ヶ所のいずれかで受診)

Duke Universty Hospital, Erwin Rd., South Bldg. Clinic 1J, Durham, NC 27710

Duke Health Center – South Point, 6301 Herndon Rd., Durham, NC 27713

1512 East Franklin St., Suite 100, Chapel Hill, NC 27514

(919) 684-6327

Duke University Hospitalです。病院内での受診の他、ダーラムの南にあるSouthpoint地区、チャペルヒルに分室があります。Duke University Hospitalでの出産を考える場合には、こちらがお勧めです。

Durham Women’s Clinic

209 East Carver St., Durham, NC?27704

(919) 471-2273

産科医のほか、助産婦さんも勤務しています。Durham Regional Hospital 系列の医院ですので、出産の際には、基本的にそちらが紹介されることになると思います。

Harris & Smith OB/GYN, PA

4116 Capitol St., Durham, NC 27704

(919) 471-1573

Duke University Medical Center、Durham Regional Hospitalの双方に関係を持つ医院です。

(3)皮膚科

Durham Dermatology Associates

Central Medical Park, 260-9 North Duke St., Bldg 400, Durham, NC 27704

(919) 220-8300

Chapel Hill Dermatology P.A.

891 Willow Dr., Suite 1, Chapel Hill 27514

(919) 942-3106

http://www.chapelhilldermatology.com/

(4)救急

Duke Medical Center Emergency Department

Erwin Rd., Durham, NC 27710

(919) 684-2413

生命の危険があるような、緊急事態の場合の連絡先です。または、911に連絡します。

Duke Urgent Care – Hillandale

1901 Hillandale Rd., Suite D, Durham, NC 27705

(919) 383-4355

月~金、土、休日 8:00-20:00。高熱等緊急に処置が必要な時に看てもらえます。予約不要で、混んでいる時は2時間待ち程度です。

専門医に関する情報については、合格後に送られてくるパッケージに最新の情報が掲載されています。そちらも、参考にしてください。

5.Health Department

日本の保健所に相当する公共機関です。視力や血液に関する検査などの他、予約なしで予防接種が可能です。

Duke County Health Department

414 East Main St., Durham, NC 27701

(919) 560-7600 / 7608

6.市販薬

一般的にこちらの薬は効きます。服用者の体格などを考慮して分量を加減した方がよいときもあります。ただし、薬の種類によっては勝手に減量するとリバウンドを起こすものもあるので、医師に必ず相談しましょう。また、「使用上の注意をよくお読みください」(酒を飲むな、運転するなetc.のディレクションが入っている場合があります)。

7.コンタクトレンズ

(1)検診及び処方箋

コンタクトを買うためには処方箋(prescription)が必要です。処方箋は発行後1年以内のものであれば有効で、日本の眼科のものでも構わないようです。こちらで取る場合は、大抵のコンタクトレンズ店に眼科が併設されているので、そこで検診を受け処方箋を入手するのが簡単かと思います。この費用は保険ではカバーされていない場合が多いかと思いますが、$80から$100程度です。また、インターネットでコンタクトレンズを購入する場合には、住所を入力すると近隣の眼科を紹介してくれるサービスもあるようです。

(2)コンタクトを売っている場所

Pearle Vision、Wal-Mart、South Square Mall、Northgate Mall など至る所で売っていると思います。実際に行ってみて値段を比較するのもいいと思います。使い捨てソフトにする人はオーダーして取りにいく必要があるので近い所が良いでしょう。Pearle VisionはPinnacle RidgeやThe Summitのアパートから近くて便利です。ハードの洗浄液はあまり売っておらず、1本あたり$7くらいして日本と同じくらい高いです。Kroger(Patterson Place)等で入手できます。

インターネットで購入する場合は、処方箋の他、BC(ベーシックカーブ)、DIA(直径)の情報が必要です。これらの情報は今までのコンタクトレンズに記載されています。

(3)コンタクトレンズを日本から持ってくる場合

漬けおき洗いのソフトコンタクトの場合、その洗浄液は、コンタクトにあった種類でなくてはなりませんが、日本で比較的ポピュラーなConseptはあまり売っていません。一方、AOSeptはどこにでも売っています。

8.よく使われる医療用語

○一般用語

  • 症状    symptom
  • 遺伝    erediti
  • 健康診断  check-up, physical examination
  • アレルギー allegri
  • 栄養    nutrition
  • ツ反応   tuberculin skin test
  • 呼吸数   respiratory rate
  • 脈拍数   pulse rate
  • 移植    transplantation
  • 錠剤    tablet, pill
  • カプセル  capsule
  • 散薬    polder
  • 注射    injection, shot
  • 感染性の  contagious
  • 流行性の  epidemic
  • 慢性の   chronic
  • 急性の   acute

○一般症状

  • さむけ   chills
  • 体がだるい tiredness
  • 不眠症   insonnia
  • くしゃみ  sneeze
  • しゃっくり hiccup
  • 肩こり   stiff neck and shoulder
  • 激痛    severe pain
  • しつこい痛み   persistent pain
  • 焼けるような痛み burning pain
  • 鋭い痛み   sharp pain
  • 刺し込む痛み piercing pain
  • がんがん痛む throbbing pain
  • 圧痛     pressing pain
  • ちくちく痛む prickling pain
  • 裂くような痛みtearing pain
  • 鈍痛     dull pain
  • 持続した痛み continuous pain
  • 時々痛い   recurrent pain

○内科(Internal Medicine)

  • 気管支炎   bronchitis
  • ぜん息    asthma
  • 肺炎     pneumonia
  • 結核     tuberculosis
  • 破傷風    tetanus
  • 貧血     anemia
  • 肝炎     epatiti
  • はしか    measles
  • ジフテリア  diphtheria
  • げっぷ    belching
  • めまい    dizziness
  • たちくらみ  light headedness
  • けいれん   convulsion
  • 手足等のしびれ numbness
  • 手足等のふるえ tremor

○眼科(Opthalmology)

  • 網膜炎    retinitis
  • 結膜炎    conjunctivitis
  • ものもらい  stie
  • 目やに    discharge of the eye
  • かすみ    blurred vision

○耳鼻咽喉科(Otolaryngology)

  • 中耳炎    otitis media
  • 鼻炎     rhinitis
  • 扁桃腺がはれる swelling tonsil(s)
  • 鼻水     running nose
  • 鼻づまり   stuffy nose
  • のどのいたみ sore throat
  • 声がかれる  hoarse voice
  • 耳だれ    discharge from the eye
  • 耳なり    ringing of hearing

○歯科(Dentist)

  • 虫歯    cavità
  • 歯槽膿漏  gum disease
  • あご    jaw
  • 歯ぐき   gums

○外科(Surgery)

  • 切り傷   cut
  • 刺し傷   punture
  • 骨折    fratture
  • 捻挫    sprain
  • 脱臼    dislocation
  • 打撲    contusion
  • かすり傷  scratches
  • 膿     pus
  • 火傷    burns

○産婦人科(Obstetrics & Gynecology)

  • つわり   morning sickness
  • 予定日   expecting date
  • 吐き気   nausea
  • むくみ   swelling
  • 陣痛    labor
  • 破水    ruptureof the membrane
  • いきみ   push
  • 母乳栄養  breast feeding
  • 人工栄養  bottle feeding
  • 妊娠中毒症 toxemia of pregnancy