Overview
FuquaのDaytime MBAのカリキュラム構成は、以下のようになっています。8月のオリエンテーションを終えるとすぐにSummer Termが始まります。なお、外国人留学生で英語をフルタイムで使用する大学・職務経験がない場合、7月半頃から2週間ほど開催されるBusiness, Communications, and Culture (BCC)という準備プログラムを受講することが求められます。Fuquaは1ターム6週間で年4タームあり、各授業は1回2時間15分で週2回開かれます。水曜日に授業は基本的にありませんが(一部の選択科目を除く)、その分就活を含む様々なイベントが開催されます。通常の授業は1 Termで3 Creditsの単位認定となり、上限は11 Creditsとなっていますが、取得単位増のリクエストも可能です。
Fuquaの必修授業では、1年生のSummer Termでリーダーシップや組織論、Entrepreneurship、Technologyといったコア科目を幅広く学ぶとともにTeam/Community Buildingにもかなりの時間が割かれます。9月からのFall 1では統計・経済学・会計と計数的な能力を高め、これらを土台としてFall 2のファイナンス・戦略・マーケティング、Spring 1のオペレーションを学ぶ流れとなります。この所謂General Management的な授業構成に加えて、Fuqua特有のものがLeadership Communicationです。通常のSectionがさらに4つのC-LEADからなるグループに分けられ、少人数で受講します。この授業はプレゼンテーションについて学ぶもので、スライドの構成から、ジェスチャーの作り方、アイコンタクトの取り方、更には聞き手が興味をもつためのコンテンツの特徴まで、実演を通じて学ぶことができます。個人、C-LEAD単位で複数回のプレゼンテーションの機会設けられ、最終的にはある業界のある企業に対する戦略策定をチームで行い発表する、という形になります。TAはインターンシップ経験直後の2年生が勤め、彼らの経験に基づいたフィードバックがもらえます。一説によると、教授よりもTAの方がシビアとの評判です…。実践的なこの授業があるからこそ、Fuquaの学生はSpring 1/2のFuqua Client Consulting Practicum(FCCP: 実際に企業にコンサルティングを行うExperiential Learning)やその後の夏のインターンにおいて、クオリティの高いアウトプットを提供でき、高い評価を得ています。
選択授業においては、定評のあるMarketingに加え、Strategy, Finance, Accounting, Operationといった主要科目だけでなく、Decision Science, Entrepreneurship, Managementといったより専門性の高い領域、更にはHealth Care, Energy, Social Impactといった特定の産業分野に特化した授業まで、合計100以上の授業が提供されています。なお、選択授業の例についてはこちらをご覧ください。
Concentration/Certificate
Fuquaでは以下14 種類のConcentrationsと2種類のCertificateの中から最大2つまで取得することが可能です。FinanceのCertificate以外は、Concentration/Certificateともに基本的には所定の授業の単位を取得することで付与されるもので、即ちこれらの分野においては特に充実した選択科目が提供されています。これらはレジュメに記載する等し、その分野における自身の経験を対外的にアピールすることができるものです。現在、FuquaのMBAプログラムはSTEM(Science, Technology, Engineering, and Math)のDegreeと認められ、外国人学生は卒業後通常1年しか学生ビザで就業できないところを3年まで延長することが可能です。米国での就職を目指す外国人学生にとって、この価値は非常に大きく、Fuquaが世界全体から優秀な学生を引きつける一つの要因となっています。
Concentration/Certificateについての詳細はこちらをご覧ください。
Industryの強み
Fuquaでは伝統的にヘルスケア分野に強いことで有名であり、日本においても業界のリーダーを多数輩出しています。近年ではそれに加え、エネルギー分野でも全米屈指のプログラムとして評価を得ており、また、最近はSocial Impactの分野も拡充されています。ヘルスケア分野における詳細はこちら、エネルギー分野はこちらをご参照下さい
Electiveの例
1. Strategy Implementation
NYSE上場企業にて取締役を務め、Duke Law schoolとMBA夫々で教えているJohn de Figueiredo教授による授業。企業戦略をそのデザインと実行の二つに分け、如何に美しい戦略を描けても、その実行を成功させなくては戦略の実現はならないことを学びます。具体的には、なかなか日本では議論さえ聞かない企業文化のマネジメントや、得てして動きの鈍くなる大企業がディスラプティブなイノベーションを作り出すための組織・報酬制度の設計、M&A後のPost Merger Integrationの進め方等、実務的にも非常に重要なテーマを扱います。授業は最先端の論文を読みコンセプトを理解したうえで、実際のケースを用いて議論を進めていきます。教授による鋭い指摘は議論の質を高め、事前に周到に準備されたホワイトボードの下書きは深い洞察のコメントで埋まっていき、毎回納得感の高いテイクアウェイを得ることができます。
2. Decision Models
MITの電気工学出身のDavid Brown教授による授業。決定木解析、モンテカルロシミュレーション、SolverによるOptimizationといったツールとしては基本的なものですが、それを用いてケース課題をモデリングしながら解いていくことで、不確実性を抱えた環境において最適な意思決定を行うための手法について習得します。この授業で習ったことがそのまま夏のインターンで活用できると評判で、多数の1年生がSpringタームに履修します。
3. Entrepreneurial Finance
McKinseyで働いた後MITでPhDを取得した新進気鋭のManuel Adelino教授による授業。基本的なCorporate Financeの理解が前提となりますが、Venture Capitalによる投資評価手法やトランザクションに落とし込むためのタームシートの作り方を学んだ上で、Start-upの事業計画を作成し、最終的にマネジメントの経歴や業界のマクロ観、事業の独自性等を踏まえ、最終的な意思決定まで、どのように落とし込むかを実践します。将来起業を考えている人にとっては特に有用な授業です。
4. Strategic Management of Human Assets & Organizational Change
米軍陸軍士官学校であるWest Pointを卒業、米軍勤務を経た後West Pointで教官としてLeadership developmentや組織論を教えた経歴を持つJoseph Leboeuf教授による授業。効果的なチームマネジメントの手法、長期的な目標達成のための組織作り、自分自身のリーダーシップの形成といった、抽象的な議論に留まりがちなテーマについて、実際のケースや多数のゲストスピーカーとのディスカッションを経ながら習得します。教授のリーダー育成に対する並々ならぬ熱意により、やる気に溢れた学生が集まり、授業でのディスカッションは非常にクオリティが高いと評判です。
5. Detecting Earnings Management
E&Yにて会計監査として働いた経験を持ち、2006年以降Fuquaで教鞭を取り、2014年には40歳以下のトップ40 professorsにも選ばれたBill Mayew教授による授業。財務諸表の中で経営陣が裁量を持つ項目について、どのようなモチベーションが経営陣に発生し、そしてどのような操作がルール上可能であるかを理解し、その分析手法を学ぶ授業。ファイナンスを使うどのようなポジションにおいても必須となるスキルを身に付けることができます。ケースを使ったディスカッションは非常にロジカルに進んでいき、毎回実務に使えるテイクアウェイが得られると評判です。
6. Strategy & Tactics of Pricing
WhartonにてMarketingのPh.Dを取得し、前職のPurdue大学のMBAにおいてBest Instructorとして選ばれたこともあるWilfred Amaldoss教授による授業。Cost-plus, Value-basedといった基本的な手法からSubscription modelやMixed Bundling等のより高度な手法まで、様々な価格付け手法について、各業界における使い分けの特徴・収益性を高めるための戦略について、学ぶ授業。ゲストスピーカーも充実しており、BCGやBain & Company、Wells Fargoといったリーディングカンパニーのマーケティング責任者が具体的なプロジェクトを披露し、授業での学びを実務に結び付ける工夫もされています。