Junichi

Class of 2017(社費)

Institute of International Finance (農林中央金庫からの長期派遣)
Policy Advisor
Washington D.C., USA
(2018年5月時点)

Before Duke: 農林中央金庫

Undergraduate: 京都大学 理工学部

Master of Health Administration: Washington University in St. Louis, School of Medicine

現在は、国際機関であるInstitute of International Finance(IIF)にてPolicy Advisorとして働いています。より良い国際金融規制の策定を目指し、IIFに加盟する世界70カ国、約500の民間金融機関から意見を集約し、Financial Stability Boardやバーゼル委員会などの国際的な公的機関と対話をしています。しかしながらこれだけ多くのメンバーの意見を集約することは容易ではありません。各メンバーは時として自国の利益を代弁する必要があることから、メンバー間の利害が一致せず議論がヒートアップする場面も多々あります。またIIFは100人ほどの組織ですが、世界各国から人材が集まってきており日本人は私を含め2人しかいません。こうした国際ビジネス環境を生き抜くために、私にとってFuquaでの経験は必要不可欠なものでした。

 

卒業してみて思うFuquaの良さ(Team Fuqua)

Fuquaでは「Team Fuqua」というキーワードのもと、チームの力を最大限に発揮することに重きを置き、それを実現できるリーダーを育てることを目標としています。私も在学中にチームの力というものを何度と無く経験しましたが、その一つをご紹介できればと思います。

Fuquaでは選択授業でもチームワークがほぼ必須でありチームがランダムに割り振られることもしばしばです。Impact Investmentsの授業では、あるクラスメートと二人一組のチームにアサインされました。そのクラスメートは、おっとりとしていて、反応も遅く、一見シャープではありませんでした。留学前の私はどちらかと言うと一人で物事を進める人間でした。極端な言い方をすると、徹底的に分析し、論理的にまとめ、相手を納得させていく仕事のスタイルでしたので、そのクラスメートと議論をしている時も、正直に言うと論破するのは簡単だと感じていました。しかしながら、チームの力を信じ始めていた私は自分の意見を押し付けることをグッと我慢して、相手のことを一生懸命聞きました。意見を引き出すように粘り強く話をするとそのクラスメートから私では到底思いつかないような良い視点やアイデアがたくさん出てきて、結果として、自分一人で書いたレポートよりも圧倒的に質の高いレポートを作り上げることでき、授業でも高く評価されました。

留学前の私はいかに自分が頑張って120点の結果を出すかを最初に考えていましたが、Fuquaでの経験を経て物事の考え方がガラッと変わりました。もちろん自分が最善を尽くすことは今も考えますし、MBAを通して自分の個としての力も少なからず上がったと思います。しかしながらFuquaでの経験を経て、何よりもまず最初に、今の環境やチームメンバーの力をどうしたら活かせるか、そのために自分は何ができるか、何をすべきかを考えるようになったのです。なぜならそうすることにより、個としては成し得ないほどの圧倒的にいい結果が出せることに気づいたからです(個人で必死に頑張って150点は出せるかもしれないけれど、チームでは簡単に500点位が出せるイメージです)。また、チームで働く方が達成したときの喜びも大きいですし何より楽しいです。

30歳を超えて自分の根本的な考え方がここまで大きく変わるとは思っておらず、Fuquaでは期待以上の経験を得ることができたと考えています。Fuquaでの2年間で何百ものチームワークを経験し、チームワークを体で覚えることができたことは一生の財産になると思っています。現在IIFにて、民間金融機関の意見発信を促し、建設的な議論をリードし、より良い意見を作り上げていくという仕事をしていますが、Fuquaで身につけたチームワークは必要不可欠なスキルであると感じています。

 

卒業してみて思うFuquaの良さ(ネットワーク)

近くに住む同級生同士で連絡を取り合うことはもちろん、出張や旅行でどこに行ったとしても必ずと言っていいほど誰か友人に会えます。また毎年Fuqua Around the Worldと言って卒業生が世界中の都市で同じ日に飲むというイベントをやっているのですが、ワシントンD.C.だけでも100人近くの卒業生が集まっており、卒業後もコミュニティーを大切にする校風が感じられました。こうしたFuquaネットワークは仕事上でも大変重宝しており、実際に必要に応じて他業種の多くの方とお会いし話を聞くことが出来ています。

 

今MBA受験をされている方へ

私は2006-08年にもアメリカの他の大学院に留学しており、Fuquaが2回目のアメリカ大学院でした。MBA進学先を決める際には、アメリカ以外の文化にも触れたいと思っていたので欧州MBAと大いに迷っていましたが、結果的にはFuquaに進学し大変満足しています。Fuquaは2学年計900人、International 比率は約40%、交換留学の機会も充実しています。意識的に過ごした結果として多くの国の人と接することが出来、自分にとっての体感International比率はもっと高かったです。どのMBAでも活用しきれないくらいの機会があり自分の過ごし方次第で得られる経験は変わるのだと実感しました。

 

ノースカロライナでの生活について

現在住んでいるワシントンD.C.も歴史や文化、政治の動きが感じられ、町並みもきれいな非常に良いところですが、生活する上ではノースカロライナが最高です。朝は鳥の鳴き声で目を覚まし、玄関を出ると木々の良い香りがし、南部特有のほがらかな近所の人とはすぐに仲良くなれ、何でもない普通の日に家族や友人とプールサイドでBBQ。ノースカロライナの生活の質は非常に高いと言わざるを得ません。妻と3歳の娘の3人での渡米でしたが、家族みんなが大満足の二年間でした。