Class of 2021 – Case 3

留学形態:社費
勤務先:住友商事株式会社
職歴:7年
職種:リスクマネジメント(投資審査・管理)
大学名:東京大学
大学時代専攻:経済学部
GPA:3.2
TOEFL:Total 105 (R30 / L28 / S22 / W25 )
GMAT:Total 690 (V32 / Q50 / IR8.0 / AWA5.0 )
海外経験:学生時代に1か月カナダへ語学留学

 

Why MBA?

新技術を用いた効率的な新インフラの開発を学生時代より志し、総合商社入社後はインフラ事業の投資評価・審査に従事。インフラ事業のフロントへの異動を希望し続けていたがなかなか出させてもらえていなかったところ、上司からMBA留学を打診される。尊敬する上司がIESE出身だったこと、同上司からMBAでの学びの経験を聞き、自分自身のレベルアップと留学後のキャリアパスの広がりを考え、留学を決意。

 

Why Fuqua?
1. エッセイに書いたWhy
・学生間の交流・team workが機会・質ともに充実していること
インフラ事業には多様な国籍・業種の人たちが関わり、非常にローカルな側面(特に規制・制度)もある一方で、グローバルな側面(特にファイナンス)もあります。多くの人が関わるからこそ、往々にして意見が食い違い、前に進まなくなることもあります。そのようなビジネスを推進する中心人物になるには、多様なバックグラウンドを持つ人たちと、英語で渡り合い、リードできる力を身に付けることが必須と考え、team workを重視し、かつ、田舎というロケーションならでは、外国人と休日も一緒に過ごす機会が多いであろうFuquaは理想的と考えました。

 

・Energyに特化したプログラムがあること
FuquaはConcentrationの一つにEnergy & Environmentがあり、EDGE(Center for Energy, Development, and the Global Environment)を中心として業界の人とのネットワークの機会も多く、エネルギー業界に強みを持っている珍しい学校です。また、Energyの切り口で他校を見てみると、Oil & Gasを中心とする学校が殆どでしたが、FuquaはPower(電力会社)を含む自分の興味分野に合致するより広義の分野を対象とする珍しい学校で、その点が非常に魅力的でした。学校が特定の業界に強みを持っていると、同じ興味を持つ学生も多く、ネットワークの構築をより充実して行えるだけでなく、自分の経験を活かしたリーダーシップ発揮の経験も得やすい環境ではないかと考えました。

・Experiential Learningの重視
アカデミックな知識は、学生時代と仕事を通じて学んできたと感じており、また、今後新規ビジネスを自分で立ち上げるには、そのビジネスが直面するであろう様々な問題を実戦形式で学びたいと考えており、座学だけでなく、実践での学習機会が豊富な学校を選びました。Fuquaは有名なFCCPをはじめ、Experiential Learningを重視しており、魅力的と感じました。

2. エッセイに書かなかったWhy

Visit時の学校の雰囲気の良さ、学生同士が本当に和気あいあいと話しているところは、大きな決め手でした。MinorityがMinorityで固まってしまうことは往々にしてあると思いますが、Fuquaではたまたまかもしれませんが、そのようなケースを目撃しませんでした。また、下らないことかもしれませんが、学食が充実していることも大きな理由でした(どことは言いませんが、サンドイッチ3つくらいしか選択肢がない学校もありました)。

3. 合格後に気が付いた魅力

まだinternational students向けのサマープログラム(International Student Bootcamp)に1週間参加しただけですが、学生が希望する企業での就職を勝ち取るために、また、その後にビジネスパーソンとして成功するために、非常にバランスの取れたプログラムであることを感じています。

具体的には、プレゼンテーションやビジネスライティングといった、コミュニケーション能力にも力が入れられているところです。例えば、プレゼンを行う際の身振り手振りの指導はもちろん、ライティングについては「人を動かすには、ロジックや信頼だけでなく、emotionも大事である。その為、クライアント向けのレポートを書く際には、emotionも考慮したこういった文章・内容も入れた方がよい」といった指導も受けています。また、Career Management Center(通称CMC)にもかなりのリソースが割かれており、学生が希望する職業を勝ち取るために、学校全体で全力のサポート体制が敷かれていると思います。私は社費として転職の予定はありませんが、アメリカ企業でのインターンの経験を得たいと考えており、アメリカのjob marketでの経験が全くない身として、安心感を感じますし、また、将来的にグローバルに活躍するビジネスパーソンとなるために、ソフトスキルを含めた十分な教育を受けられると期待しています。

 

受験プロセス

17年5月 上司からMBA留学の推薦を受ける。TOEFL勉強開始

18年1月 TOEFLで104点獲得

18年4月 社費派遣の許可を得る。GMAT勉強開始

18年7月 GMAT 690点獲得(2回目)、エッセイ本格化

18年8月 TOEFLで105点獲得、3回目のGMATも690とupdateならず。

18年10月 頭にCampus Visit。その後すぐ1st 出願

18年12月 Duke含む1st出願校より合格受領

19年1月~  4・5回目のGMATも690,680と奮わず。690のまま2nd 出願。

2nd出願校は不合格となり受験終了

 

受験対策

TOEFL
計14回受験し、Section BestではR:30, L:29, S:26, W:29(Total:114)になりましたが、どこか上がるとどこか落ちてしまい、105で止まりました。

E4TGへの通学含め、集中して取り組んだ1月に104まで伸びましたが、その後18年3月の結婚式に加え、5月頃まで業務が多忙を極め、他方で1st出願を目指していたので、一旦TOEFLを中断。その後、GMAT・Interview練習を通じて根本的な英語力が上がり(正直、その前のTOEFL勉強ではテクに走りがちであり、中途半端な英語力しか上がらなかったような気がします)、殆どTOEFLの対策をせずに105に上がりました。その後も継続して受け続け、奇跡的にS26が出るもWが下がってしまい、104に留まりました。根本的な英語力をつけた後に、S・Wのスコアを向上させるために、まとまった時間をTOEFLに割けなかったことが、敗因と思っています。

自分が使用し、お勧めする教材・塾・勉強法は以下の通りです。

単語:iKnow

Reading:Scientific American

Listening:河野先生の「必ず聞き取れるTOEFLテストリスニング」

Moment of Science・60 minutes Science(Podcast)等のshadowing

Speaking:E4TG・DMM英会話。E4TGの第1・2問目のメソッドはあまり有効でなくなっているように思います。自分は「シンプルな理由(ロジックはあまり問われない)を二つ、それをサポートする何らかの例、発音明瞭、文法はシンプルに」を心掛けていました

Writing:E4TG

 

GMAT
SC・CRは塾でメソッドを学び、OGを2か月程解きまくれば、70%近くの正答率には達すると思います。しかし、+700、特に理想となる720近くに達するには、RCを伸ばすことが不可欠と思います。2018年の試験時間の短縮(75分→62分)により、よりtime pressureが強まり、また、問題数が減った中で、RCができないと、最悪4問一度に失うことになるので、重要性は高いと思います。巷で言われる「2問目はダミーだから切る」戦法は私は怖くて実践しませんでしたが、それを実践した方は、スコアのアップダウンが激しいですが、確かに1回くらいはハイスコアが出ているような気がします。

RCの攻略には単語力と即解力(筆者の構成・ロジック・主張の根拠(要は文章の肝)を素早く理解する力)が必須で、時間がかかります。Manhattanの作るStrategy Guideが即解力を養うには有用でした。(ただ、この本の存在に気付くのが12月と遅く、自分には間に合いませんでした。)

また、決して5回あると思わず、多くとも2回で理想スコア(必要スコアでなく)に達するよう、本番を使うべきだと思います。4回目くらいからプレッシャーは尋常でなくなるため、中途半端な準備状況で受けるGMATほど勿体ないものはありません。会場の雰囲気は先輩に聞けば分かりますし、本番同様のテストをPrepで受けられるので、Prepで+720出るようになってから、2回(+予備1回)で終わらせるべきだと思います。以下、各論です。

 

・Math

自分は学生時代数学が好きだったこともあり、マスアカで十分でした。MathはVerbalに比べ、GMACによる問題改良があまりされていないように思われ、OG・Prepをしっかり解いていると、本番で同様の問題が出たことがよくありました。Manhattan PrepのMathは本番よりかなり難しく、あまり参考にはなりませんでしたが、本番が簡単に感じるという効果がありました。

 

・Verbal

①RC

・前述の通り、Manhattan RCをまず解くのが良いかと思います。Affinityでは問題タイプ毎の解き方を教わりましたが、Manhattanにも同様のことが書いてありました。

・RCはSC・CRのようなテクでの攻略は正直難しく、最も時間がかかる部分だと思いますので、地道な努力をお勧めします。また、一度OGを解いてしまうと、長文は内容を暗記してしまうので、復習をするのも難しいのが、RCの対策のしづらさかと思います。

・近年のRCは短くなっていると言われていますが、私は本番でスクロールが必要な5 paragraphの問題にであったので、よくわかりません。超長文でも問題数は4つなのは、過去問やOGとの違いかと思います。

・eGMATを試してみましたが、RCについては問題文・設問の作り方がGMATとは結構違うため、あまり参考になりませんでした。

 

②CR

・AffinityとOGで基本的には十分だと思います。Affinity飯島先生の解き方・解説は分かりやすかったです。Conclusionを明確に理解できるようになることが、始めのステップだと思います。そして、問題タイプ毎の解法を覚えれば、2つまで選択肢を切ることは比較的早い段階で到達すると思います。

・しかし、本番でなかなか点が伸びない状態が続きました。その時にOG・Prepの間違い分析を徹底的にやることが、最終的にスコアを上げてくれました。自分は、GMAT独特のロジックを理解できていなかったこと(例えば、追加売り上げの発生は利益率とは無関係等)と、勝手読み(当然、だと思うようなロジックで答えてしまうが、問題文中に明示されていないこと)をしていたことが原因でした。間違い分析を通じて、自分のクセを見つけるようにしてください。

・eGMATのCRは、簡単な例文からみっちり練習できるので、Affinityの解き方ではいまいち腑に落ちない、という人には試してみる価値あると思います。(実際、Affinityでは時々答えありきの解説だな、と感じるときはありました。)

 

③SC

・近年、文法だけでなく「意味で解く問題」の増加と、問題文の長文化が傾向としてあります。事実、Enhanced Score Reportでも、SCは「Grammer」と「Communication」の二つに分かれることが示されています。私はYESに行き、OGを解きまくる古典的なやり方でしたが、結果として今のSCにも十分と感じました。

・YESは確かに扱う問題が古く、今の傾向には合っていないものが多くあります。また、今のGMATではそこまで細かな(マニアックな)文法は問われない面もありますので、若干「非効率」な面もあるのは事実です。しかし、YESの文法力でSCを解くのは十分可能と同時に、あの千本ノックのような授業が自分の判断力も向上させてくれたと感じました。

・YESに通い詰めた後の7月では85 percentileが出ましたが、その後徐々に下がってしまったので、YESの効果が大きかったと思います。

 

エッセイ
Reve Counselingというカウンセラーを起用し、文字通り二人三脚で取り組んでいきました。始めは構成・表現方法といった基本的なところから、見当がつかず苦労しましたが、「Great Applications for Business School」という本を買い、nativeの書くエッセイを読んだことで、その点を克服することができました。コンテンツについては、当たり前かもしれませんが、在校生・卒業生とのお話や、Campus Visitを通じて、自分がその学校にいって何をし、それがキャリアにどう活きるのかを具体化することが最も重要と思います。エッセイの質問が少し変化球でも、結局面接時に必要となるので、合格を得るには必須のプロセスだと思います。

Fuquaのエッセイで重視したのは、Fuquaで自分が如何に貢献できるかを具体的に書くことでした。その為、自分のインフラ業界での経験や人脈、ビジット時に感じたこと等を具体的に説明しました。Fuqua特有の25 Random Thingsについては、些細なことも含めてエッセイカウンセラーにネタを提供し、一緒に絞り込んでいきました。自分としては、エッセイに取り組んでいるというプレッシャーなく、思うままに自分のことを書けたクエスチョンだと思っており、とても良い課題だと感じていました。

 

インタビュー
自分は英語力に自信がなかったため、50くらいの質問に対して、Answerをまずは全て英語で書きあげました。頻出の質問については、Answerをカウンセラーに見てもらい、Essayの添削のようにAnswerの質を高めていきました。その上で、DMM英会話で毎日1.5時間、ひたすらインタビューの練習をしました。事前に相手に質問リストを送ってランダムで質問してもらい、メモを見ずに答える練習をし続けました。

面接官がアドミ、日本人Alumni、在校生のいずれかで、また、blind(面接官がapplication documentsをresume以外見ていない)かどうかで、聞いてくる質問の傾向は大きく変わると思います。その為、事前にどのような形式かを把握し、可能であればカウンセラーに、自分の面接官の過去の面接記録を共有してもらうよう、お願いした方がよいと思います。

 

最後に
MBAの2年間は外国人のコミュニティにどっぷり浸かり、自分の世界・経験を広げることができる、途方もなく貴重な2年間だと思います。その2年間をどこで過ごし、何を学ぶか・得るかを明確に持ち続けることができれば、きっと目指す結果を得ることができると思います。自分は、Dukeの面接前日に、半ばハイテンションで「Dukeで2年間過ごせたら、最高だと思うんだ!」と話し始めて妻を驚かせたことを覚えています。

しかし、出会いや運も重要です。私は、カウンセラーを通じてDukeを知り、そしてたまたま自分と全く同じような関心分野を持つ在校生と出会うことができ、また、その方経由学びたい教授とVisit時に話すことができ、自分の中でDukeでの2年間がかなりクリアに持つことができました。

はじめはスコアメイクに追われ余裕もないとは思いますが、上記の点の明確化は、全体のプロセスを効率的にするだけでなく、長くつらいMBA受験をやり抜くモチベーションにもつながると思います。自分を信じて、長いプロセスを乗り切ってください!

 

以上