Class of 2019 Case 1

留学形態:社費
勤務先:JX石油開発株式会社
職歴:8年
職種:新規事業開拓・事業管理
大学名:慶應義塾大学
大学時代専攻:法学部政治学科
GPA:3.5
TOEFL:Total 107 (R30 / L27 / S23 / W27 )
GMAT:Total 710 (V37 / Q49 / IR8.0 / AWA4.5 )
海外経験:ロンドンでの研修(6カ月)

Why MBA?

留学により得られる知識・スキル・ネットワークにより、将来の職務の可能性が広がることを期待してビジネススクールへの留学を志望しました。
これまで仕事をしてきた中で、自分自身や仕事、会社について、様々な課題の存在を感じてきていました。将来的に海外事務所で管理職に就き職務を遂行するに足りる技能はあるか。国営石油会社等との難しい交渉をまとめるには何をすればよいか。資源開発会社にとってポートフォリオ戦略はどうあるべきか。エネルギー業界が今後経験する変化の中で長期的な戦略はどうあるべきか。こうした課題に立ち向かうには、ビジネススクールに留学し、複雑な事象を咀嚼できるような思考の枠組みを得るとともに、実践的な学習により組織を動かす能力を身に着け、またネットワークを広げて多角的な視点を養うことが最適だと考えた次第です。

Why Fuqua?
1. エッセイに書いたWhy
・協調的な学習環境
資源開発業界では地質学や施設技術、法律、財務等の専門家が協調して仕事を遂行します。また、海外の会社とジョイントヴェンチャーを組成する機会が多いため、「チームによる仕事の最適化」に卓越することが課題であると考えてきました。Fuquaはチームでの学習機会が多くまたその質も高いため、この目的に適っていると考えました。
・エネルギー業界へのフォーカス
Fuquaは、「Energy Finance」という私が得たい知識に最適なConcentrationを(トップスクールには珍しく)備えているほか、EDGE(Center for Energy, Development, and the Global Environment)等が主導するエネルギー関連の学習・ネットワーク機会が豊富であることから、エネルギー業界に関する知識やネットワークを広げる目的に適っていると考えました。
・FCCP等の実践的な学習機会

チームでの実践的な学習機会が、組織を動かす能力を身に着ける目的に適っていると考えました。

2. エッセイに書かなかったWhy
乳児を連れての渡米でしたので、住環境には特に気を配りました。Durham周辺は全米でも屈指の住環境(US Newsの”100 Best Places to Live in the USA” で7位にランクインしています。)であり、自然にも恵まれ子育てに良いと思いました。

3. 合格後に気が付いた魅力
少なくとも私が受験生であった頃には、多くのビジネススクールが「チームでの学習機会」や「協調的な学習環境」といったことを謳っていたと記憶しています。しかしながらその程度には学校によって大きな差があり、Fuquaではこれらがよく機能するよう、歴史的に多くのサポートを提供しています。

そのうちの一つがC-Lead 1という授業です。この授業では、First Year Team(C-Lead Team)のクラスメイトと共に、チームビルディングのために様々な活動をします。この1カ月間で、屋外でのアクティビティを始め、外部の分析会社を使った性格・志向性の診断結果の共有や、チーム・チャーター(今後のチーム課題の遂行方法や、チームとしてのゴール、プライベートの時間の確保方法等に関する決まり事)の作成などを実施しました。また、万が一チーム内で問題が生じた場合には2年生の助けを仰ぐこともシステム化されています。加えて、海外学生へのサポートも手厚いと感じています。7月のInternational Student Bootcampに参加すれば、在学期間中、Fuqua内のESL教育の専門家からの指導を常に仰ぐことができます。語学力が問題となりがちなチームでの学習機会においては、大きな助けとなると思います。
Fuquaは、多様性のあるチームがもたらす創造性をとても重視しています。そのような価値観に支えられているからこそ、チームでの学習機会の充実化のため多くのサポートを提供しており、この点は学生にとって非常に魅力的なものであると感じています。

受験プロセス

2016年1月:留学の決意を固め社内の留学経験者から話を聞き、当初は公共政策大学院への受験を志す、同時にTOEFL受験勉強を開始する
2016年3月:社内選考開始前にTOEFL受験(105点(R30/L29/S23/W23))、公共政策大学院の情報収集を進める
2016年4月:GREの勉強を開始するも多忙につき6月まで停滞気味

2016年5月:社内選考応募

2016年6月:社内選考通過、受験先をビジネススクールに変更、ビジネススクールの本格的情報収集開始、塾と契約、TOEFL勉強再開

2016年7月:学校情報収集を進め、留学先のイメージを固める

2016年8月:TOEFL受験(107点(R30/L27/S23/W27))⇒出願スコア

GREからGMATに切り替えて勉強開始、Info Sessionに複数参加

2016年9月:初回GMAT受験(710点(V37/Q49)、IR8.0点、AW4.5点)⇒出願スコア、エッセイ対策のコンサルティング開始、在校生とのSkypeによるネットワーキング・情報収集開始

2016年10月:長男誕生の直後に締切り迫るも1st RoundでDukeに出願

2016年11月:渡米しDukeを含め4校ビジット(うち1校とは公式面接実施)、第2回GMAT受験(初回を超えられずスコアキャンセル)、東京でDuke面接

2016年12月:2nd RoundでA校出願、Duke合格通知受領

2017年1月:2nd RoundでB校出願、A校合格通知受領

2017年3月:B校不合格通知受領、Duke進学決定

受験対策

TOEFL
私は次の3点に取り組みました。
 ①  基礎単語力の増強
 ②  問題様式への慣れ
 ③  解答フォーム・パターンの習熟
まず①については、社内選考の3年前頃から仕事以外での単語力の増強を意識して勉強していたため、社内選考通過後はそれほど苦労せずに済みました(TOEFL 3800、『発信型英語10000語レベルスーパーボキャビル』を使って基礎単語力を向上させつつ、National Geographicを定期購読してリーディング能力を補強。National Geographicは、扱うトピックについてTOEFLとの相性が良いのでおすすめです)。社内選考通過後はTOEFLの単語群を学習し直し、勉強所要時間は約20時間でした。
続いて②および③については、基礎能力は参考書を複数こなして身に着けつつ、応用力はYoutubeでの解説を聞いて身に着けました。勉強所要時間は約80時間でした。

GMAT
公私の事情から時間が制限されていたため、GMATに割り当てる時間を決めて(初回受験までに約150時間)短期決戦での成功を重視しました。GMATでは解法に慣れることが最重要と理解していたため、勉強時間(特に演習時間)を最大限確保することを優先し、塾には行かず独学で勉強しました(教材は公式ガイド、Manhattan GMATおよびYoutubeを使用)。
独学のメリットは、①時間を長く確保できること(塾への通学時間を削れる)、②時間を自由に割り当てられること、③自分なりのトライアル&エラーを繰り返すことにより解法に強い納得感を得られること、の3点だと思います。また、デメリットは①解法の構築作業が非効率的となりうること、②Quantitativeの難問対応が一般教材では難しいこと、の2点だと感じました。①については核となる解法をYoutube およびManhattan GMATで学習し単語帳アプリを用いて記憶することにより対応できましたが、②については対応しきれませんでした。
もし勉強方法に改善を加え独学の最大効率化を図れたなら、①勉強順序の最適化(Manhattan GMAT等の教材による一般的な解法の理解と記憶⇒演習によるトライアル&エラー⇒新しい解法を記憶⇒…)と②Quantitativeの難問対応がポイントとなりえたと思います(私の場合、GMAT対応開始が遅かったためManhattan GMATがなかなか入手できず、当初は公式ガイドの簡単な解説だけを頼りにしていた点が非効率的でした。)。また、もし勉強時間にもっと余裕があったなら、GMAT用の単語力増強に取り組んでいたと思います。Verbalの難易度が上がるにつれて、語彙力不足が原因で不正解となったり、時間不足となったりするケース多かったと思われたためです。
なお、勉強所要時間の内訳は、Verbalに約100時間、Quantitativeに約30時間、IRおよびAWに約10時間でした。

エッセイ
良いエッセイを書くには情報収集をしっかりと実施することが大切だと理解していたため、時間的制約がある中では、受験の初期段階で学校数を絞る必要があると考えていました。最終的に受験校数を3校に絞り、狭く深く情報収集にあたりました。
特にFuquaについては、Info Session、在校生の方々とのスカイプ、足掛け3日間にわたるビジット等を通じて情報収集に力を入れました。
Fuquaのエッセイで重視したのは、Fuquaの価値観(特にAuthentic Engagement、Supportive Ambition、Collective Diversity、Impactful Stewardship、Loyal Community、Uncompromising Integrity)とのフィットです。自分の持っているストーリーから最適なものを引き出し、これらの価値観との整合性を意識しつつ、在学中・卒業後にやりたいことと結びつけました。
Fuqua特有の25 Random Thingsについては、家族に自分の幼いころの話を聞くなどして、あれこれと考えずに楽しく取り組めました。
エッセイの作成は慎重に進め、GMAT終了後1カ月間集中して取り組みました。出願ウェブページに入力する、いわゆるミニエッセイ(リーダーシップ経験を列挙せよ、など)の対応に予想外に時間を要しました(字数制限が厳しかったため、情報を詰め込むのに苦労しました。)。

インタビュー
典型的な質問に対する回答を、暗記帳アプリを使って記憶していきました。また、自分の回答を録音・チェックしてより魅力的になるように回答内容を変えていきました。何度も喋っていると、「ここを突かれたら弱い」といった違和感を覚える箇所が浮き彫りになってきますので、大切なのは練習と改善を継続して自信を持つことだと思います。
インタビュー対応は、TOEFLやGMATとは異なり正解がないため、最も苦労したかもしれません。私が実施した方法は、レジュメ作成に当たって検討したエピソード(最終的にレジュメに入れなかったものを含む)を全てSTARメソッドで分析し、単語帳アプリを使って要点を記憶するものでした。特にTaskとActionの部分について、誇張せず自然にリーダーシップやチームワーク等の概念に結び付けるのが難しかったです。
Fuquaのインタビューは、東京で卒業生の方と行いました。終始和やかな雰囲気で進めてくださり、自然に話すことができたと思います。
とは言え後悔がないわけではなく、もう一度準備させていただけるなら、ストーリーの多様化を試みたと思います。

最後に
私も受験生であった時には在校生の方々に助けていただきましたので、今度は自分が受験生の方々をサポートできる立場につくことになり、非常に嬉しく思っています。Fuquaにご興味がございましたらお気軽にご連絡ください。受験のご成功をお祈りしています!

以上