Casey

Class of 2018(私費)

ExxonMobil Corporation
Financial Analyst
Houston, TX
(2018年9月時点)

Summer Internship:Morgan Stanley / Strategy&

Before Duke: American Express

Undergraduate:カリフォルニア大学サンディエゴ 物理学部

卒業後はエクソン・モービルでFinancial Analystとして働いています。このポジションではCorporate Financeから内部監査までお金にかかわることなら何でもして、そのファンクションはローテーションで変わっていきます。私はFuqua入学前はアメリカでの職務経験もエネルギーやファイナンスのバックグラウンドもありませんでしたが(アメックスでは事業戦略をしていたのでファイナンスはあまり触れませんでした)、今の環境は英語ペラペラでエネルギー業界に精通しているという前提でファイナンス業務が進んでいきます。このかなり無理のあるtransitionができたのもFuquaの2年間のおかげです。今回はこの場をお借りしてFuquaがどう私のtransitionに役立ったかを砕いて説明します。

 

Breaking into the U.S. Market

アメリカ就活はコミュニケーション能力でほぼすべて決まるといっても過言ではないです。Fuquaでは入学初日よりリスクフリーの環境を用意し反復運動でコミュニケーションを鍛え上げます。具体的にはチームベースの課題とプレゼンのクラスです。チームとはただ単にクラスの課題を一緒にやる仲間ではなく、クラス外で与えられた問題を一緒に解いたり、2か月過ぎたあたりで全チーム、ミーティングルームに強制的にぶち込まれ2年生のTA(Teaching Assistant)監視のもと赤裸々にフィードバックをしあって、そのフィードバックの内容のディスカッションはもちろん、フィードバックの仕方についてのフィードバックをしたり、喧嘩になってチームが崩壊して、その崩壊した理由をまとめて提出したりします。私は個人プレーが好きな人間だったのでこうして強制的に生々しいコミュニケーションをとらないといけない環境は非常にありがたかったです。

プレゼンのクラスはケースを読んで当日役を言い渡されてその役になりきってプレゼンしたり議論したりする授業です。なので毎週2回くらいプレゼンがあり、月2回くらいのペースでプロの先生とクラスメイト10人とTA二人の前で大きめのプレゼンをしてぼろカスにフィードバックを受けたりします。このクラスの一つの課題として自分が選んだ会社をプレゼンするというものがありました。私はアメックスをプレゼンしましたがクラスメイトに「オーディエンスがケーシーに耳を傾ける理由がない。アメックスで働いていたというのをなぜ途中に言う?そこに至るまで信憑性がないから誰も聞いてなくて時間の無駄。まずもっと自分を知ってもらったほうがいい」と痛いけど的確なフィードバックをもらったので、じゃあ次はもっと自分を知ってもらおうとプレゼンすると、違うメンバーに「今のはやりすぎなんだけど、たぶんここの言い回しはこういう風に変えて、この部分はこの単語で簡潔に言ったほうがよくて、あとこの部分は特にいらない情報だから削除するといいんじゃない?」とのフィードバック。どのビジネススクールはリスクフリーでいいのですが、こうして強制的に生徒が何度も試せる場をわざわざ設けてくれているのはFuquaならではだと思います。このつらい時期を通ったからこそ、就活でも堂々と自分をアピールしたり面接官とカジュアルな会話ができ、今でも普通にエクソンで仕事ができているのだと思います。

 

Breaking into the Energy Sector

三つに分けます。

  1. クラス

Fuquaではエネルギービジネスのクラスがいくつかあります。EDGEというクラスは各業界の著名人(エクソンのあるでかいプロジェクトの最高責任者やGMのエコカーのVPなど)が来て、プレゼンをしたり我々が質問をぶつけたりして生の声を聴くというクラスです。Energy Marketというクラスはケースベースのクラスで環境スクール(Nicolas School of Environment)の教授が教えてくれます。このクラスは、石油、天然ガスのケースから始まり、石炭、原子力発電、風力、ソーラーなどの新エネと続いていきます。初心者には全体像が分かるぴったりのクラスでした。一つ一つの内容は濃くケース自体はかなり難しいので、玄人も楽しんでいた様子です。エネルギーのクラスではないですが、Project FinanceというクラスはJ.P.モルガンでジェイミー・ダイモン(現CEO)の下でずっとインパクト投資をしていた教授とリスクファイナンスを専門とする教授のふたりが教えるケースベースの授業です。これはエネルギーも含めて大きなインフラのプロジェクトの金をどうするかというクラスです。これも違う観点でエネルギー業界を見れたので非常に勉強になりました。

その他のクラスとしてはロースクールにもエネルギー関連のクラスは沢山ありますし、環境スクール、ポリシースクールや工学部でごまんとエネルギー系のクラスをとれるので、Fuqua在籍中にもう取りきってやることはないということは絶対に起こりえないんじゃないかと思います。こうして素人にも玄人に絶妙にフィットするようにクラスが構成されているので私としては非常に助かりました。

  1. イベント

Fuquaでは全国のビジネススクールの学生が集まるエネルギーケースコンペを主催したりEnergy Weekというどでかいイベントを行って各界から人が来ているので、手軽に最新の情報が入ったり新しい人と知り合うことができます。もちろんデューク本体でもいたるところでなにかしらのイベントをやっているので、それに参加したりもして情報収集に励みました。情報収集をどこから始めたらわからないという人間にはもってこいです。

余談ではありますが、デュークから25分程度で比較的大きなRaleigh-Durham国際空港があるのですが、そこからニューヨークやボストンまで1時間程度、ヒューストンまで2時間半、サンフランシスコまで6時間と直行便で色々なイベントに気軽に参加できるのも大きいです。

  1. エネルギークラブ

私はバックグランドもないのにエネルギークラブのco leaderをやらせてもらいました(手を挙げて猛烈にアピールすれば何とかなるもんだなと)。その一環としてヒューストンやサンフランシスコに同級生を連れて会社見学に行ったのですが、私の場合その時に作ったネットワークから始まり、今のエクソンのポジションに繋がっています。どの大学にもエネルギークラブはあるでしょうが、デュークのエネルギークラブはかなり活発でいろいろな会社に顔が利くのではないでしょうか(会社訪問の際全部で20社くらい事前に連絡しましたが1社も断られることはありませんでした)。あと、私みたいに何も知らない人間をco leaderにするなんてFuquaの学生のやさしさがないとできないです。

 

Breaking into Finance

この部分は純粋にFuquaのクラスが役に立ちました。先ほども触れたEnergy MarketやProject Financeもファイナンスよりだったのでスキルとして身に付きました。その他Corporate FinanceやValuationも非常に楽しかったのですが、私の場合会計にドはまりしました。Fuquaでは会計は経営者の言語というイメージで経営者目線で話が進んでいきます。もちろんテクニカルの部分もがっつりあるので素人の私はかなり苦労しましたが、経営者、投資家、アナリストはこの数字をどう捉えるかという観点でクラスを進行していくのは非常に有意義でした。特に楽しかったのがDetecting Earnings ManagementとManagerial Accountingです。Detecting Earnings ManagementはEPSのEの部分を経営者が会計を使ってどういじれるか(もちろんルール違反をせず)、という授業です。我々生徒がケースの課題に対して「この場合ここに問題があるからこの方法を使ってこう変えるとこういった数値になる」と回答すると教授が「で?それをお前はどうみるんだ?お前の上司はいいっていうのか?投資家はどう思う?ウォールストリートから明日なんて質問が来ると思う?その質問が公に出たら株価はどう動く?そして今株価を動かしてもいい時期なのか?」とよく詰められるなかなか緊張感のある授業でしたが、会計を作るというよりもどう読むかを極めて細かく学ぶクラスでした。

またScott Dyreng教授のManagerial AccountingはDetecting Earnings Management同様ケースベースのクラスです。このクラスも経営者目線でコスト分析を会計を使って紐解いていきます。会計なので見た目はっきりと数字的回答はでるのですが、それが経営者の意思決定にどう影響するか、はたまは影響しないのか、という部分を学んでいきます。どちらかと言うと経営者の意思決定をサポートする戦略のクラスに近かった気がします。その戦略を作っていくうえでたまたま会計を応用するのがベストであったといったクラスだった気がします。なので、会計のスキルもそうなのですが、より大きな枠で会計を見るようになれるクラスでした。ある時教授がケースの主人公であるテディーベアの社長をマジで演じきって生徒(株主役)と2時間バトルするというクラスは圧巻でした。

私はハードスキルをよく使うFinancial Analystということもあり、Fuquaで取ったファイナンスと会計のクラスのほとんどを現在応用できていると感じます。

 

以上すべてエネルギーのファイナンス職への転職をベースに話しましたが、これは他にも転用できると思います。例えばヘルスケアのマーケティング、テクノロジーのプロジェクトマネージャー、等。Fuquaは自分次第で広くも深くも追及できる、非常に汎用性の高い環境なのではないでしょうか。

 

おまけ

学校では仲良しグループがいくつかありますが、私の場合、日本人コミュニティに加え、The Gradient(私を含めて7人のアメリカ人で、皮膚の色が黒人から徐々に薄くなって白人金髪のメンバーに変わっていく様子を表してGradientと名付けられたグループ)でした。特に目的はありませんが、飲みに行ったり、バスケの試合を見に行ったり、旅行に行ったり、といったことを一緒にやるといった感じの仲間でした。卒業後も続いているこの仲間を作れたことは私にとっては大きな財産です。