Class of 2015 – Case3

 

職歴 弁護士(5年半)
海外経験 なし
出身学部 法学部法律学科
社費/私費

Why MBA?

弁 護士としてM&A、事業再生、ジェネラルコーポレート等の経験を重ねるにつれ、たとえ法的観点からのアドバイスをする場合であっても、ビジネスが 分かっていなければ本当に価値のある貢献はできないのではないか、と強く思うようになりました。また、年次が上がるにつれチームをまとめる役割を任される 機会が多くなり、特にグローバルな案件/チームにおける自分のリーダーシップの欠如を痛感していました。私の所属する法律事務所には海外のLL.M.を有 する先輩弁護士が多く在籍しており、自然と私も時期が来れば留学するつもりでいましたが、上記のような問題意識から、MBAを志すようになりました。

Why Fuqua?

MBA に行くならばトップスクール、と思っていましたので、1年目、及びre-applicantとなった2年目ともに、アメリカのtop 10クラスの学校を中心に出願しました。その中でも、(上記の次第で、グローバルな環境におけるリーダーシップの素養を身に付けたいという目的がありまし たので)Team Fuquaというキーフレーズの下、チームスピリットを重視するFuquaにはとてもfitを感じていました。また、あまり典型的なFuquaのイメージ にはないかもしれませんが、私が重点的に勉強したいと思っていたファイナンス系の科目が充実しており(concentrationもあります。)、この点 でもFuquaは魅力的でした。

さらに、受験中にコンタ クトを取らせていただいたFuquaの在校生、alumni、admissions officeの方々からは、本当に献身的なサポートやアドバイスをいただきました。Team Fuquaのcollaborativeなカルチャーを強く肌で感じ、自分もこういうカルチャーを有するコミュニティの一員になりたい!と、すっかり Team Fuquaに惹かれてしまいました。

スケジュール

【1年目】
2010年8月 TOEFL初受験。あまりの難しさに面食らい、ほぼランダムクリックしてスコアをキャンセルし、家に逃げ帰る。
2010年10月 気を取り直してTOEFL2回目。真面目にやったが45。MBAに行ける日は来るのだろうかと気が遠くなる。
2011年10月 TOEFLのスコアが伸び悩む中、出願時期が迫ってきたのでとりあえずGMATを受験してみる。530とあえなく撃沈。
2011年10月 TOEFL18回目で102。(1年目、2年目の出願スコア。)
2011年11月 GMAT2回目。620。(1年目の出願スコア。)
2011年12月 GMAT3回目。590。涙。
2012年1月 2ndで3校出願。(1校インタビューに呼ばれるも(出願者全員にインタビューの学校。)、全て不合格。)
2012年1月 スコアアップデートを狙ってGMAT4回目。550。涙涙。
2012年2月 これが最後のチャンスと気合を入れて臨んだGMAT5回目。550。涙涙涙。
2012年2月~3月 3rdでFuquaを含む2校に出願。
2012年3月 この期に及んでキャンパスビジットツアー敢行。FuquaのAdmissions Officeとの個別面談を設定してもらい、熱意を伝える。
2012年5月 3rdで出願していた2校からインタビューに呼ばれるも、いずれも不合格。re-apply決定。

【2年目】
2012年10月 「1年間に5回まで」の喪が明け、満を持して臨んだGMAT6回目。またしても550。一体自分は何をやってきたのだろうと本気で凹む。
2012年10月 1stでFuquaに出願。
2012年11月 GMAT7回目。700獲得!(V 34, Q 50, AWA 5.0, IR 6)。試験終了後のモニターに表示されたスコアが信じられず、二度見する。これが2年目の出願スコアに。(出願済みのFuquaはスコア差替えに応じてくれた。)
2012年12月 Fuquaインタビュー。
2012年12月~2013年1月 2ndで5校出願するも、いずれもインタビューなしで不合格。
2013年1月 Fuquaから合格通知!!

TOEFL

総論
私はいわゆる純ドメで、しかもエスカレーターで大学に進学したため大学受験の英語の勉強を経験しておらず、受験全般を通じて英語には本当に苦労しました。 TOEFLはその最初の関門で、2回目に受験したときのスコアは45(1回目の受験は訳が分からずランダムクリックしてスコアキャンセルという体たら く。)。受験18回目にしてようやく102 (R 26, L 30, S 22, W 24)を出しました。TOEFLは合計28回受験しましたが、その後はスコアが伸びず、結局これが1年目、2年目の出願スコアとなりました。そんな私が言 うのもおこがましいですが、近年は105以上のスコアがないと、トップスクールへの合格は難しくなっているように感じます。

以下、セクション別に私のとった勉強方法をご紹介します。(最初のころは予備校にも通っていたのですが、最終的に以下のような勉強方法に落ち着きました。)

Reading
TOEFLのリーディングに特化した勉強というものは特にしていません。私の場合、スコアメイクが遅れTOEFLとGMATを並行して受験せざるを得な かったため、GMATのverbalセクション(特にRC)の勉強がそのままTOEFLのリーディング対策になりました。GMATのRCで出題される文章 の方がTOEFLのリーディングよりも難易度が高いので、GMATのRCのレベルに慣れておけば、TOEFLのリーディングは易しいと感じるようになると 思います。なお、英単語は旺文社の3800を使って勉強しました(覚えられたのはレベル3くらいまで。)。

Listening
TOEFLのリスニングで満点をとった先輩のアドバイスに従い、スクリプト付のCD教材を買って、聞いた音声が全ての単語(冠詞や前置詞を含む。)のレベ ルで再現できるようになるまで、繰り返し聞くようにしました。通勤等の移動時間を使ってiPod等でリスニングの勉強をするのはよいと思いますが、気が付 くと他のことに意識が向いてただのBGMになっている、というような「聞き流し」になってしまいがちなので、注意が必要です(それではほとんど効果がない と感じました。)。私の場合、リスニングの勉強をするときは、実際に口に出すかどうかはともかく常にシャドウィングし、意識的に「聞くこと」に集中するよ うにしました。教材を一通り使ってしまったあとは、podcastで無償で提供されているビジネススクールの授業や講演等を聞きました。モチベーションの 維持にもつながるので、おすすめです。(結果的に、私もリスニングでは満点を取ることができました。)

Speaking
Skypeでフィリピン人講師と英会話ができるサービス(レアジョブなど)を使って、とにかく英語を話す量を増やしました。仕事の忙しさにもよりますが、 可能な限り毎日、できれば1時間程度の時間を設けるようにし、レッスンでは、まず私が新聞や雑誌の記事を音読し、その後その内容について講師とディスカッ ションする、という練習を続けました。また、実際のTOEFLのテストでは、事前に回答のテンプレートを固めておいて(私はアゴスのものをベースにしてい ました。)、問題文やリスニングの内容に応じてコンテンツを入れていく、というアプローチをとりました。

Writing
1問目(リーディングとリスニングの内容について議論する問題)の対策としては、アゴスのテンプレートを使ったくらいで、特別なことはしていません。2問 目(自分の意見を述べる問題)については、一部では有名なJack(私の場合息子のJohnでしたが。)のメール添削サービスを使って練習しました。彼の テンプレートを使うと(コピー&ペースト機能を使うので)一気に文字数が稼げる上、安定して高得点がとれるようになったのでよかったです。

GMAT

総論
7回目の受験で700(V 34, Q 50, AWA 5.0, IR 6)を獲得し、一応のスコアメイクができましたが、受験回数が示すとおり、GMATにも本当に苦労しました。毎回、試験後に妻に電話で結果を報告するとき の切ない気持ちといったらありません(思い出すだけで泣けてきます。)。原因は(GMAT特有の頭の使い方というよりは)やはり根本的な英語力が足りてお らず、Verbalの点数がなかなか伸びなかったことであるように思いました。以下、そんな私の勉強方法をご紹介します。

Verbal
(Sentence Correction)

最初のころは、なぜこれが正解/不正解になるのかが全く分からず(Official Guideの解説を読んでもよく分からず。。)、何となく解いている、という感じでした。3回目の受験で散々な結果が出てから、Yoshii English School (Y.E.S.)に通ったのですが、吉井先生の授業は本当に目から鱗で、これまでのもやもやが一気に吹き飛んだ気がしました。Y.E.S.には延べ6か月 ほど通いましたが、最後のころにはSCは8割くらい正解できるようになっていたと思います。SC対策はOGとY.E.S.の予習、復習くらいです。

(Critical Reasoning)
弁護士というバックグラウンドのせいか、思考方法や問題の解き方ではあまり苦労しませんでした。ただ、問題文や選択肢の英語が難しく、意味を把握するのに時間がかかってしまうことが多かったため、毎日数問OGの問題を解いて慣れるようにしました。

(Reading Comprehension)
Y.E.S.の吉井先生のアドバイスに従い、Harvard Business Reviewの記事を、すらすら読めるようになるレベル(読み返さずに一回で意味が把握できるレベル)に到達することを目標に、毎日読み込んで練習しまし た。あとはOGをやったくらいです。難易度の高い英文をたくさん読むということが大切だと思います。

Quantitative
もともと算数/数学は得意でしたので、さほど苦労はしませんでした。数学特有の英単語を覚えて、マスアカとアゴスの難問集で調整しました。なお、Quantitativeに関しては、OGの問題は本試験に比べてかなり簡単だと思うので、注意した方がよいと思います。

AWA
特別な勉強はしていません。アゴスのテンプレートを使って書いていました。(IR導入前はAWAがもう1問あったのですが、こちらはTOEFLと同じくJack/Johnのテンプレートを使っていました。)

IR
私の受験中に導入されたのですが(受験7回中最後の2回)、新しく導入されたセクションのスコアがいきなり重視されることは考えにくいと思い、アゴスの授業を受けて、OGのサンプル問題を一通り解くという程度の対策にとどめました。

エッセイ

2 年目の受験では、Bryan Shih氏をカウンセラーに起用し、彼と二人三脚でエッセイの作成を進めました(1年目は別のカウンセラーを起用。)。1年目の受験が失敗に終わりre- applyが確定した5月ころから、週1回程度(ピーク時はもっと頻繁)のスカイプミーティングで内容を練りました。エッセイを書く上では、自分の core valueが示せていることと、ストーリーが過去の行動・成果で具体的に裏付けられていること、が特に重要であると思いますが、2年目のエッセイはこの点 がより洗練されていたと思います(Bryanのおかげ。)。特にFuquaのエッセイでは、Team Fuquaの魅力について触れる人が多いのではないかと思いますが、なぜそれが自分にとって魅力的なのか、上記の観点から具体的にアピールできたと思いま す。

なお、私はre-applicantなので、2年目 はFuquaを含む多くの学校でre-applicantエッセイ(前回の出願時から成長した点について述べるもの。)を要求されました。これについて は、仕事での国際的な案件におけるリーダーシップ経験(及びそれに伴う英語力の向上)等をアピールしました。また、Fuquaは出願後にスコアを差し替え てもらったのでエッセイには書けませんでしたが、GMATのスコアが620から700に上がったという点は、achievementを quantitativeに示すという点でよかったと思います。なお、いうまでもないことですが、re-applicantエッセイでは、昨年と何が変 わったのかを具体的に摘示することが大切だと思います。(上記の私の例では、昨年の時点でもリーダーシップ経験はあったはずだし、英語もそれなりにできた はずではないのか?という読み手の疑問に答える。)

インタビュー

1 年目は3校インタビューの機会がありましたが、どういうわけか全くといっていいほど準備をせずに臨みました(今思うと無謀でした。)。2年目のインタ ビューはFuquaだけでしたが、カウンセラーのBryanとみっちり練習し、自分でも入念に準備をして(仕事の帰りに1時間ほどかけて徒歩で帰宅し、道 中ずっとぶつぶつ一人で想定問答をしたりしました。)、基本的なトピックについてはすらすらとメッセージが伝えられるようにしました。

おわりに

こ うして振り返ると、MBA受験は本当に長い道のりでした。テストのスコアが思うように伸びなかったり、1年目は全ての出願校で不合格となったり、、、つら い思いを何度も経験しました。それでもめげずにMBAに向けて自分を奮い立たせることができたのは、(こっぱずかしいですが)エッセイにぶつけた自分の熱 い思いがあったからだと思います。本当につらくて二度と経験したくないプロセスですが(笑)、人生におけるこの時期に、しっかりと時間をとって自分を内省 し、core valueを掘り下げる機会を得られたことは、とても有益だったと思います。そして、Fuqua進学という最高の結果とともにこのプロセスをやり遂げるこ とができたのは、回りの方々の多大なるサポートのおかげです。Team Fuquaを体現されていたFuquaコミュニティの皆さん、まさにプロのカウンセラーであったBryan、私の英語を根本から叩き直してくれた吉井先 生、親身になって推薦状を書いてくださった先輩方(re-applicantとなったので本当にお手数をおかけしてしまいました。。)、迷える私にいつも 喝をいれてくれたMBAホルダーの先輩、本当は旅行に行ったりいろいろと遊びたいだろうに文句も言わず、黙って私のわがままに付き合ってくれた妻、他にも 本当に多くの方々に支えていただきました。自分を支えてくれる方々の存在とありがたみを改めて認識し、自分も周囲に貢献できる人間であらねばならないと強 く意識するようになったのも、この受験プロセスで得た学びです。

将来への熱い思いを胸にこの体験記を読んでくださっているアプリカントの皆様が、数々の試練を乗り越え、その夢の第一歩としてMBA合格を果たされることを願ってやみません。(そして、ぜひ一緒にFuquaを盛り上げていきましょう!)