Class of 2016 – Case2

職歴 営業
海外経験 米国(7年)、海外出張多数(米国、豪州、東南アジア)
出身学部 商学部
社費/私費 社費

Why MBA?

  1. 勤 務先では直近、海外の銀行買収とそのPMI、石油/天然ガス等の資源のプロジェクトファイナンス業務に従事。これらのディールを通じて、社内のMBAホル ダーが国際金融の最前線で活躍しているのを目の当たりにした。自身も今後、世界中の多種多様な専門性を持つプロフェッショナルが参画する大型案件を主体的 にリードしたいと考えており、その為にも、多国籍のメンバーと行う数々のケーススタディやグループワークを通じ、世界で普遍的に通用するリーダーシップや プロジェクト・マネジメント力を養いたいと考えた。
     
  2.  エネルギー産業の深堀り。かねてよりファイナンスというツールを 通じて微力ながら本邦の天然資源の安定的な確保に貢献したいと考えていた。オイルメジャーのスピーディ且つ大胆な経営やシェール革命、Renewable エナジーの技術革新など、世界のエネルギー産業を牽引するのは紛れも無く米国であり、日本はまだまだ後塵を拝しているのが現状。米国に身を置き、MBAと いう場でそれらのダイナミズムを直接感じてみたかった。またオイルメジャーや独立系資源会社の巨額な権益買収やそこに至るまでの意思決定プロセス、資金調 達手法、オペレーション、マーケティングといった、これまで経験したファイナンスとは異なる観点から、世界のエネルギー産業を俯瞰してみたかった。
     
  3. グローバルな人的ネットワークの拡大。2年間ヒエラルキーの無い環境で世界中から集まる優秀な学生と公私を共にし、同じ課題に取組み、競争・協働することで、仕事では得られない一生繋がりが持てる人脈を持ちたかった。

Why Fuqua?

  1. 幼 少期からの強い憧れ。日本ではまだまだ他のトップスクールと比べて知名度が低いものの、Undergraduate/Graduate共に米国では言わず と知れた名門校で文武両道の校風は有名(Apple社CEOのTim Cookの母校ということで最近知名度が上がりました)。学問だけではなく、スポーツや文化面でも充実したプログラムを持つ学校に身を置いて人間としての 幅を広げてみたかった。
     
  2. Energy Finance Concentration/Energy Club。Fuquaと言えばヘルスケやコンサルが有名だが、一方でShellやChevronといったオイルメジャーとの結びつきも強く、また今年から MBAのトップスクールでは唯一、Energy Finance Concentrationのプログラムを開講するなど、昨今エネルギー産業へも力を入れており、これまでの自身の知識や経験が十分に生きると考えた。実 際に同授業を担当する教授とも何度もやりとりを行い、プログラムや講義の内容についての何度も確認した。また業務で一緒に案件を推進した弊社ニューヨーク のDeal TeamのヘッドはFuqua出身であり、より親近感を感じていた。ヒアリングを行う中で、自分が勉強したい内容のプログラムが準備されているのが、 Fuquaである事を確信した。
     
  3. General Managementのスキルアップ。年齢的のも今後、国際金融の舞台で求められる能力は高度なファイナンス知識やノウハウも去ることながら、それ以上に 多種多様なバックグラウンドを持つ人々によって構成されるプロジェクトを纒めるGeneral Managementのスキルであると痛感したこともあり、同分野で定評のあるFuquaを志望した。 

  4. 卒 業生、現役生、アドミッションの一体感。Team Fuquaという言葉を体現した校風やカルチャーが大変魅力的であり、そのネットワークが世界中に存在することを知った。幾つかの学校と比較することでそ の意味が良く分かった。また自身も生涯そのコミュニティに身を置きたいと強く感じた。実際、アドミッションプロセスにおいても卒業生、現役生、アドミッ ションには多大なる力添えを戴いた 

  5. 国際性。米国のビジネススクールの中ではInternationalの学生の比率が圧倒的に高く(例年平均約40%)、他の学生もそこにFuquaの価値として見出しており、その姿勢に惹かれた。 

  6. 落 ち着いた生活環境。ニューヨーク勤務時代に出張でノースカロライナ州を訪れることが頻繁に有り、もともと現地の温暖な気候と居住環境、街全体が外国人に対 して親切である点には大変惹かれていた。家族帯同(4歳半の娘)で留学生活を送ることから、進学先は都心の喧騒を離れ、2年間家族でどっぷりと浸かれる環 境に身を置きたいと考えた。職業柄、この機会を逃すと、米国の自然豊かで静かな環境には二度と住めないと思った(妻は都心を希望していましたが、上手く説 得しました(笑))。 

受験プロセス

全 体) 上述のWhy Fuqua?の説明にもある通り、MBA受験当初から留学先は米国ならFuquaを第一希望と考えていた。一方で、社費派遣の受験生故、Fuqua単独受 験は現実的では無く、国際性、エネルギー、General Management、生活環境、等の様々な観点から受験校のポートフォリオを形成した。

結 果的に自分の軸がずれていなかったことは分かりましたが、受験生の方には多少志望度が下がっても、日本で開催される説明会には時間がある限り参加すること をお勧めします。例え、そこまで希望する学校で無くても、志望校のWhy School?のロジック強化、新しい気付き、他の受験生との横の繋がりの観点から有意義な時間となり、またモチベーションの向上にもなります。

話は逸れましたが、最終的に第一希望のFuquaから合格が貰え、MBA受験自体はこの上ない結果となりましたが、その過程は苦労の連続で同僚、友人、家族のサポートと理解が無ければ、ここまで辿りつけなかったと思います。

全 体のスケジュールとしては、2012年末に社内選考に合格するも、大型案件の進捗で受験準備に本腰が入れられるようになったのは2013年の夏頃からでし た。この点は大きな反省点でした。今更ですが昨今、MBAの受験は国内外で大変競争は激しくなっており、何事も早くからの準備のとりかかりが必要だったと 痛感しています。

TOEFL

海外経験も有り、また業務でも日常的に英語を使っていたことから、夏場の割と早い段階で最低限のスコアは確保出来ました。但し、各セクション合計のベストスコア(110)には中々近付けず、点数にも大きなボラティリティがありました。

GMAT

とにかく、試験に対しての親和性が見いだせず、最後まで苦労した試験でした。辛かった受験生活の主たる要因はこの試験にあると言っても過言では無いぐら い、悩み、苦労しました。結局、10月から試験を受け始め、5回のコマを全て使い果たしました(涙)スコアアップのアドバイスは他2名のコメントをご参照 ください。
 

受験対策

TOEFL
(総論)

  • 4 時間に及ぶ試験なので集中力の維持が何より重要だと感じました。その為にも力を抜けるところはとことん抜いて集中するところは集中するというメリハリをつ けることが大事だと思います。具体的にはリスニングのダミー問題中はいつも何も考えないでぼぉっとしたり、仮眠をしたり、各セクションの問題の説明は聞か ないなど、無駄な時間は心身リラックスすることを心掛けました。
  • 会場によっては、マイクやPCの設備の状態が酷いところもあります。試 験の途中でPCが止まったり、マイクが動かなくなったりすることがありました。また、会場に文句を言っても、TOEFLを運営する米国の本社に連絡して欲 しいと言われ、無駄な時間をとられました。受験会場を選ぶ際は、インターネットや口コミの情報収集をしながら良い会場にすることをお勧めします。但し、人 気のある会場は直ぐに埋まってしまう様です。
  • 比較的、勉強したことが素直に活きてくる試験なので、塾に通う(お金で時間を買う)のも有効かもしれません。
  • 使用した参考書は下記の通りです。
    1. Official Guide to the TOEFL Test With CD-ROM, 4th Edition
    2. ロングマンTOEFLテストiBT受験特効シリーズ〈1〉リーディング
    3. TOEFLテスト英単語3800
    4. JohnのWriting(通信教育)
(各論:Reading)
  • 試験の最初のセッションなので、そこでの手応えが以降、心理的にも影響してきます。このセクションが得意だと有利だと思います。
  • 試験を想定して本番の練習の為に問題を解くだけでなく、間違えた問題や同種の問題ばかりを集めて、徹底的に見直しを行う等、もう少し時間を掛けて突っ込んだ勉強をしても良かったと思っています。

(各論:Listening)

  • 平日のルーティンだったCNNやWall Street JournalのPodcastを通勤時に聴く以外、特段の対応はしませんでした。幸いにもちゃんと集中が出来れば、余り苦労しないセクションでした。
  • 試験中はメモの取り方に工夫して、要点を纒めることを意識しました。

(各論:Speaking)

  • Rarejobを使い、簡単な日常会話をする機会を増やし、会話の瞬発力を上げました。各セクションの中で時間を掛けて継続的に準備をしないと、点数が出ないセクションだと思いますので、早めの準備をお勧めします。
  • 話す内容の質はそこまで重要でもないので、落ち着いて分かりやすく、考えをシンプルに纒めることを心掛け、最後は27で安定するようになりました。

(各論:Writing)

  • 受験開始時にJackの息子のJohnの通信教育を一ヶ月だけ受講し、先ずはテンプレートを覚えました。あとは毎回試験前にそのテンプレートを見直し、試験に挑みました。
  • 今、 冷静に考えてみれば、勿論、基本的な英語の文章の組立て方は理解する必要がありますが、テンプレートそのものは然程重要ではなく、与えられた課題に対し て、簡潔で分かりやすいストーリーを展開し、ロジカルな文章が書けるかが重要だと思います。これはEssayやビジネススクールのレポート等にも当てはま ります。
  • 試験では文字数稼ぎの為に敢えて、文字数の多い言葉を使ったりしていましたが、完結且つシンプルな文章の方が好まれる気がします。勿論、極端に文字数が少なく、文字数の規定に達していないものは嫌われます。
  • 一番苦労したのは、トピックスに合ったストーリーを考える事でした。毎回3つのストーリーを織り込む様にしていましたが、抽象的なトピックスになればなる程、考えるのが難しくなります。質問の内容でスコアがぶれるので、受験時の運もあると思います。
  • ある程度、どんな質問にも応用が効く、自身の鉄板ネタを持っておくと良いかもしれません。コツさえわかれば直ぐにスコアが上げられるセクションだと思います。

GMAT
(総論) 

今考えてみれば、悩むよりもっと早めに手を動かせば良かったと思います。Prepと本番のスコアに余り相関性が無いにも拘らず、Prepのスコアに一喜一憂していた日々が続いたことを覚えています。今振り返って総論すると下記が重要なポイントだった思います。

  1. 早期にしっかりとした自己分析を行う
  2. 自分にあった教材と予備校選びを行う
  3. 自己管理と柔軟な対応を行う

1. についてはとにかく、前広に自分の苦手分野は苦手なジャンルのものを見出すことが重要かと思います。客観的に自己分析を行い苦手分野の炙り出しが出来ている人程、良いスコアを出している気がします。

2. については、何より自分がフィットする教材と予備校を見つけて下さい。その為にも早期の段階で自己分析が出来るかによるのではないでしょうか。

また3. については、何より自己管理が大切です。受験中のルーティンを何処まで追求するかは人によって違いますが、柔軟性を持ち、試験の独特な雰囲気に飲まれない様にすることも大変重要かと思います。

予備校としてはAGOSとAffinity英語学院を使いましたがどちらもイマイチ、フィット感はありませんでした。
結局、5回の弾を全て使い切りました。1年に5回しか受けられない試験なので、受験のタイミングは戦略的に行うべきだと思います。

(各論:Q)

  • 早めにスコアが安定すると楽になります。最初は沢山問題を解いて、見たことの無い問題の数を減らすことが大事です。

(各論:SC)

  • 恥 ずかしながら英語を体系的に勉強したことがなかったので、最も苦労したセクションでした。予備校に通っても講師の説明はちんぷんかんぷんで、かなりの時間 を無駄にしました。。。(涙)英語を感覚的に習得した人は早めに一から文法を勉強するか、ネイティブ用の参考書を使う等の工夫が必要です。

(各論:CR)

  • 得意なジャンル、苦手なジャンルがはっきり分かれましたがそれに気付くのが遅かった気がします。テクニックを重視する塾もありますが、難しい問題は愚直に解くしかないと思います。

(各論:RC)

  • 与えられた時間の中でパッセージを4つしっかり読むことは、不可能だったので1パッセージは捨てて挑みました。
  • 職業柄、ビジネス関連のパッセージは得意でした。どのジャンルのパッセージが出るかは運に委ねるしかありません。受験者によっては4パッセージ全てビジネス関連だったというラッキーな人もいました。
  • 関連するジャンルの本を読み、周辺知識を増やすと良いでしょう。

(各論:IR)

  • OGをやった程度でした。学校も余り細かく見ていない様なので説明は割愛します。

(各論:AWA)

  • AGOSの授業に参加しました。予備校に行こうが行かまいが、コツが分かれば直ぐに5.5−6が維持出来るセクションです。IR同様に余り大きなウェイトは占めていないと思います。

エッセイ 
(総論) 

  • 上 記の通り、受験校の中での志望度が圧倒的に高かったことから、何度もブレストを行い1ヶ月程掛けて、本気のEssayを仕上げました。Essay作成時に は、Why Fuqua?のストーリーもしっかり出来上がっていたことから、内容についてさほど苦労することはありませんでした。細かな言い回しや言葉選びを慎重に 行った結果、時間はかかりましたが受験した学校のEssayの中では、自信作が作成出来ました。
  • 結果として、Essayは自身のApplicationの構成要素の中では強みになっており、アドミッションにも内容を十二分にアピールが出来たと思います。

(Fuquaエッセイ課題)

  • “Why Fuqua?”
    • 上 述の通り、特段苦労はありませんでした。今振り返ってみると、アドミッションもEssayを読めば、アプリカントがどこまで本気でその学校に進学したいか が簡単に把握出来ると思います。その為にも、何故他校では無く、Fuquaを志望しているかという理由付けが大切です。体裁を整えることも大事ですが、如 何に「熱い」メッセージを届けるかを意識すると良いと思います。
  • “25 Random thing”
    • MBA 受験で作成したEssayの中で最も好きな、楽しく書けた課題でした。このEssayを作成している時だけ、MBA受験の事を忘れられたと思います。この 課題は多様性を尊重するFuquaの学校の雰囲気を体現していると思います。これまでの経験や課外活動についても言及する一方で、趣味/得意、尊敬する 人、家族、将来の夢など幅広い内容に言及し、人間としての幅の広さをアピールすることを心掛けました。

面接

  • 職歴も長く、またグローバルな経験も多々あったことから面接まで辿りつければ何とかなると感じていました(自惚れていたかもしれません)。
  • 具体的な対策としては、面接前に各学校のEssayの内容を見直し、自分なりのスクリプト(キーワードのみBullet Pointにしリスト化して記載)を作成、面接の前にそれをReviewする作業を行いました。
  • と は言え、Fuquaの面接だけは悔い無く挑みたかったので、直前の仕上げに受験仲間に紹介してもらったThom Peaceを2回(1時間×2コマ)利用し、起承転結の「結」の部分を如何に明確に説明するかをNativeの観点からReviewしてもらいました。面 接直前にも対応、アドバイスしてくれて効果的でした。
  • Fuquaとは日本での説明会、その後のアドミッションや卒業生とのコンタクト、上述の教授とのやりとりを通じて、絶大なフィット感を感じていたことから、面接も上手くアピールが出来たと思っています。
  • 一方的に聞き手が質問を重ねるパターンの面接ではなく、Interactiveな面接となるので、会話の展開力、瞬発力、臨機応変な対応が必要になります。面接官は回答の内容に加え、その対応方法や会話の仕方をみながら受験生のフィット感を分析していたものと思われます。

最後に

  • MBA 受験は体験した人にしか分からない、辛く、孤独で負荷のかかる準備ですが、何より自分を信じて強い気持ちで挑むことが大切かと思います。私はもともと精神 論的な考えには否定的な人間でしたが、結局、精神的・肉体的にも辛いときにも、諦めずに前を向き、努力を怠らなかったことがFuqua合格に繋がったもの と思います。2nd RoundでWaitlist入りした時は絶望的な気分になりましが、Waitlist期間中も諦めず、これで駄目だったらもうしょうが無いと思える程、 出来る限りあれこれ手を尽くしました。強い気持ちがあれば、必ず道は開けるものと思います。
  • とは言え、振り返れば最後まで支えてくれた のは同僚、友人、家族といった周囲の人達です。何より驕らず、また周囲への感謝に気持ちを忘れず、自分の思う方向に突き進んで下さい。頑張っていれば、必 ず誰かが手助けをしてくれます。そして将来Team Fuquaの一員としてお目にかかれることを心より楽しみにしております。
以上