Class of 2015 – Case2

 

職歴 ソフトウェア企業(ITコンサルティング部門)
海外経験 純ドメ。ビジネスで年に1~2回程度グローバルトレーニングやプロジェクトで海外に行くぐらい
出身学部 情報科学(修士)
社費/私費 私費

スコア

TOEFL:108(R:30、L:27、S:24、W:27) GMAT:出願時 660(Q:51、V: 27) AWA:5.0 IR:6  → WL繰り上げ時 710(Q:50、V: 34) AWA:5.0 IR:6 GPA: 3.7

スケジュール

私 のMBA受験は、詳細は各項目で後述しますが、次のように推移しました。長い戦いでしたが、いまこうしてDuke Fuquaの一員になれることを心から嬉しく、ワクワクしています。(本記事は、サマースクール参加のため成田からDurhamへ向かうDelta機内に て執筆中)
【1年目】
2010年10月:初めて受験したTOEFLにて66という低スコアを出す。あわててAGOS にてTOEFL の総合パッケージを受講開始する。
2011年01月:2012年入学をターゲットに、妻には「今年度だけ」と約束して準備をはじめる。
2012年01月:この時点でTOEFLが100、GMATが610(Q:50, V:21)と振るわず、この年の出願を断念する。家族会議を実施し、もう1度だけチャンスをもらう。絶対に決めると心に誓う。
【2年目】
2012年02月:TOEFLのSpeaking強化のため、E4TGを受講する(4月までの3か月)。 共に情報交換し、励ましあえる仲間とめぐり合う。E4TG効果 でSpeakingが安定して23以上に。
2012年02月:4校のキャンパスをビジットする。
2012年04月:GMATのVerbalのテコ入れのために、Y.E.Sを受講する(16問セット)。
2012年05月:フルブライト奨学金のオンライン申請を提出する。
2012年07月:フルブライト奨学金のエッセイを提出する。 この時点でWhy MBAなどのエッセイの柱ができる。
2012年09月:GMATのベストを更新するも650(Q: 50, V:27)と イマイチな結果に焦る。
2012年10月:ここへきてGMATでまさかのスコアダウンで630。ショックを受ける。
2012年11月:TOEFLのベストを更新し108(R:30, L:27, S:24, W:27)となる。GMATにフォーカスするためにTOEFLを卒業する。
2012年11月:フルブライトのインタビューを受ける。 2012年12月:想いを込めて受験したGMATのベストを更新するも660(Q: 51, V:27)と低く出願するか迷うも、「今年だけ」のチャレンジと心に決めて、出願することを決意する。
2012年12月:フルブライトのAlternate Candidate(補欠)になる。
2013年12月~02年:Round 2で6校に出願する。 Fuquaは東京でインタビューを実施し、レセプションパーティに参加する。Alumniの方々に刺激を受ける。
2013年03月:FuquaからWLの通知を受領する。
2013年03月:渾身のGMATでベスト更新する。710(Q: 50, V: 34)を獲得し、ようやくGMATも卒業する。至急、WLの各校と合格が発表されていない学校へスコアアップを報告する。
2013年05月:FuquaからWL繰り上げ合格の通知を受領。この結果を伝えたところ、フルブライトの正式候補生への繰り上りも決定!!

Why MBA?

私の長期的な目標は、新しい技術を効果的・効率的に活用し、組織のビジネスを最大限に高め、社会にインパクトを与えるようなイノベーションを牽引できるCIO(最高情報統括責任者)等のリーダーになることです。
【IT×ビジネスセンスでイノベーションを牽引できるリーダーへ】
私は、ITコンサルタントとして約7年間、 企業や公共組織(省庁及び自治体)のIT計画策定やガバナンス強化施策の実行支援等に携わってきました。そのうち8割程度が自治体のプロジェクトです。業 務を通じて多くのCIOやITリーダーと接する中で、革新的な技術が、本当に組織のビジネス価値を高められるように活用されるかどうかは、技術の利用者側 のリーダーシップに大きく依存していると実感しました。大きなIT投資をしていてもあまり価値を生み出していない例や、逆に判断がつかないため思い切った IT投資ができない例を多くみました。

日本においても優 れたCIOがリーダーシップを発揮し戦略的な取り組みを成功に導いている例がいくつかありますが、米国と比べるとまだまだ少ない・改善の余地が多くあると 感じていました。既存業務をITで効率化するだけでなく、新しいビジネスを生み出し、組織に変革をもたらすような「攻めのIT活用」にはITに関する知識 だけでなく、高いビジネスセンスが求められます。私は大学院で情報科学を専攻し、そのままソフトウェア企業に就職したため、ビジネスを数字で捉えて新しい 戦略を練るような、ビジネスセンスが弱いと感じていました。そこで、入社5年 を迎えた2010年に、ビジネス面での強化を図るためにMBAというものを本格的に検討しだしました。
【世界の猛者と競い、分かち合って成長したい】
長期的な目標を実現するためには、
1)リーダーシップ(Leadership, Entrepreneurship)
2)ビジネスを数字で語れる力(Accounting, Finance, Analytical Skill土台作り)
3)戦略立案・実行能力(Strategy, Management)
の3点を強力に高める必要があると考えていました。これらを効果的・効率的に強化できる手段のひとつがMBAだと考えています。新卒採用後に参加したグ ローバルのトレーニングで海外の同期入社組のMBAホルダーに議論でまったく歯が立たなかった悔しさや、これまでお会いした尊敬できるビジネスリーダーが MBAホルダーだったこともあり、世界の猛者が集まる環境で経験を分かち合いながら切磋琢磨して自らを高めたいという思いに至り、MBAを選択しました。

Why Fuqua?

長期的な目標に向けて、出願校は以下のクライテリアで絞りました。
1) トップクラスのプログラムである
2) 産官学連携の技術クラスターが存在し、実践的な経験が詰める
3) チーム・スピリットがある
Fuquaはこれらの条件に合致し、特に卒業生の方々やAdmissionsとのFit感(何か共感できるものがある、物事のタイミングがなぜかうまく合 う等)があり、金曜の夜にAdmissionsのConnie Swartsさんから「I have a good news for you!」とWLからの繰り上りを伝える電話をもらった時には、携帯片手にガッツポーズするほど嬉しかったです。1)~3)について、Fuquaについて 私なりの解釈を述べます。
1)について:魅力的なプログラム 私費留学ということもあり、ある程度ランキングを気にしました。FuquaはTop 10スクールというだけでなく、教授陣の授業の質の高さでも定評があり、2年間を賭けるのに資するプログラムだと思います。Shane S. Dikolli教授のManagerial Accountや、リーダーシップのあり方について研究しているCenter on Leadership and Ethics (COLE) の成果に基づいたリーダシップ論や組織マネジメント論など、Alumniから話を伺っていてワクワクするような授業がいくつもあったことは魅力的でした。
2)について:RTPの存在 Duke大学などの学術機関や企業の研究施設から構成されるResearch Triangle Park (RTP)の存在は、Dukeの大きな魅力のひとつだと思います。RTPにはバイオ系の企業やIT系の企業が集積してクラスターを構成しており、RTPの ベンチャー企業や大手の研究機関とともに、Dukeが持っている技術をいかに商用化するかといった実践的なプロジェクトを経験できるのはとても魅力的で す。また、ノースカロライナ州はRTPの発展だけでなく、大手IT企業のデータセンター誘致等に積極的に取り組んでおり、行政と産学の関わりに興味がある 私にとっては、学ぶべき点が多くある環境です。RTP自身が 中長期計画のなかで、シリコンバレーやボストンエリアなどの他の技術クラスターを脅威ととらえて、いかに企業にとって魅力あるものするかといった点を真剣 に考えている姿は、生きた学習材料だと感じています。
3)について:Team Fuqua!! 「Team Fuqua!」のキーワードに代表されるように、受験を通じて出会ったFuquaのAlumniやスタッフのみなさんは、みなさん思いやりがあって話をし ていて、とても気持ち良い方々でした。私はいろんな国々の優秀なタレントと知恵を分かち合い、議論を戦わせながら切磋琢磨して成長したいと考えていたの で、チームでプロジェクトを回す機会が多いかどうかは、一つの着目点でした。入学早々でしが、在校生の方やAlumniの方のサポートは凄まじく、これぞ Team Fuquaかと実感している日々です。

TOEFL

外資系企業に勤めているとはいえ、業務で英語を使うことは限定的だったので純ドメの私はスコアメイクには苦労しました。最初のスコアである66から、 出願スコアである108獲得までの取り組みで、特に有効だったと思うものをお伝えします。
【Reading】
AGOSで基本的な学習をして以降は、特別な問題集はやりませんでしたが、本番で次の2点の工夫をしました。
(1)当日朝に目を慣らす 会場 近くのカフェに本番より少し早めに行き、Practice Onlineの問題で時間を図って1~2 本の文章を読み、画面越しに文章を見るのに慣れる工夫をしました。これをすると、本番で読めるスピードが少し上がる気がします。
(2)パラグラフごとに理解した主旨を簡単にメモする 23~30とばらつきがあったスコアが、これをやることで27~30に安定しました。文章が構造的に理解できると、設問にも答えやすく、引っかけにも気づきやすいといった効果がありました。
【Listening】 E4TGのDonald先生のススメで、 「A Moment Of Science」のpodcastを毎日ダウンロードし、ディクテーションとシャドウィングをしました。一時期、電車の中でpodcastを聞いていまし たが、あまり集中できず効果は限定的でした。やはり、短い時間でも机の上で集中できる時間をとってディクテーション等をやるのが一番効果的だと思います。 だんだんと習慣化し、やった日付 と ディクテーションの内容をOneNoteに記述し、それが1日1日と積み重なることが快感になりました。
【Speaking】 E4TGで基本的なストラテジーを習った後に、 毎日朝と夜に15 分ずつ時間をとり、TOEFL Official GuideのWritingの設問集から数問ピックアップし、Speakingで回答->ICレコーダーに録音->聞き返して修正点を確認、といった練習 をしました。その結果、以前は20-22を推移していたSpeakingが23-24で安定するようになりました。
【Writing】 AGOSのテンプレートを利用した以外、これといった学習はしていませんが、Independentでは、Speakingの練習でしゃべっている内容を使って効率的に記述するよう工夫しました。

GMAT

2度と受けたくない試験です。その分、クリアした時の喜びはとても大きかったです。各セクションの対策は以下の通りですが、学習方法などは他の仲間が記述してくれると思うので、ここでは660 から710にアップした際に工夫しい点を紹介したいと思います。
【予備校等の利用】 IR : AGOS 中山先生 AWA: 特になし Quantitative: Manhattan GMATの独学 SC: AGOS中山先生 + Y.E.S吉井先生 CR: AGOS 中山先生+ Affinity野口先生 RC: AGOS中山先生 その他: GMAT KingによるCAT演習 ※いずれの先生方も経験豊富で大変お世話になりました。 感覚としては、660の時も710の時も、Verbalの理解度はそれほど変わっていないので、GMATは「当日の運用(集中力管理・体調管理)」で大き く結果が異なる試験だと思います。当日のパフォーマンスを最大限にするための工夫1)~3)がうまくはまったのではないかと思います。
1)健康管理 基本中の基本かもしれませんが、前日に十分睡眠をとるようにしました。7時間半ぐっすり寝ました。 (1歳半の娘がいるのですが、夜中に泣き出して睡眠が妨げられるリスクを回避するために、前日は妻と娘を実家に預けました)さらに13時からの受験だった ので食後の眠気が出ないように、ランチを11時に終え、昼寝を20分してから会場に向かいました。その結果、頭がすっきりした状態で本番に臨むことができ ました。
2)集中のピーク管理 これまでの経験として、試験前に糖分やカフェインをたくさん補給するとMathの時間までは集中力が持つのですが、休憩中に栄養を補給してもVerbal の後半あたりから集中力が途切れることがありました。そこで、集中のピークが苦手とするVerbalにくるように以下のようなピーク管理をしました。
・本試験前はランチを軽くする
・AWA/IRはMathとVerbalの練習のつもりで気楽にやる
・Mathの前にブドウ糖を補給する
・Verbalの前にブドウ糖(たくさん)、即効性のあるチョコ、カフェインを補給する このアプローチに科学的な根拠はないのですが、いままで以上にVerbalで集中力を維持することができました。
3)本番を意識した時間配分戦略と訓練 これが一番効果的だったかもしれません。これまでは、事前にGMAT Prepなどでタイムマネジメントの練習をする際に、前半20問を終えた時点で残り時間が35分程度になる状態を作れるよう「理想的なペースを体で覚え る」ことを繰り返しやっていました。しかし、本番では理想的なペースで問題を消化できることが少なく、20問終了時点で残り時間が30分などになってしま うことが多く「いつもと違う状態」に必要以上に焦って後半を読み飛ばしてしまい、正答率を下げていたのだと思います。 そこで、20分終了時点で A 残り35分程度であれば、RCの残り2パッセージを両方しっかり読む B 残り33分~32分程度であれば、RCの残り2パッセージのうち1つはじっくり読み、もう1つは1-1-LでPrimary Purpose系だけは取るようにする C 残り30分程度であれば、RCの残り2パッセージのうち読みにくそうなテーマ/長い文章であれば1つは捨てる という時間配分戦略を明確に持って臨みました。 特にシチュエーションBに対する訓練として、GMAT Prepの追加購入問題を利用して1-1-Lで2分程度でPrimary Purposeを解く練習を何度もしました。実際に本番での時間はシチュエーションBだったので、自信を持って残りの21問に挑むことができました。漫然 とGMAT Prepを解いて、理想的なペースで理想的なスコアを出すことに安心するのではなく、野球のシチュエーションノックのような、本番で起こりうるいろいろな シチュエーションを想定した訓練をもっと早くやっておけばよかったと思いました。

エッセイ

カ ウンセラーは江戸義塾のEd Leeさんと、Future Education Center (Training Partners)の木下さんに相談しました。FECの木下さんと日本語で骨組みとなるストーリーを組立て、各校ごとのエッセイに仕上げるところをEdと やりました。いきなりネイティブとのディスカッションも良いと思いますが、アイデアだしの段階であれば、優れた日本人カウンセラーを活用することも有効な 手段だと思います。私の勝因のひとつは、エッセイについてかなり深堀ができたと自信が持てたことだと思っています。また、Edは本当に親身になって相談に なってくれたので、深く感謝しています。Edがいたからこそ乗り越えられたと思います。

インタビュー対策

インタビューはEdと4回程度練習し、あとは自分でビデオを撮って確認・修正しました。

WL対策

同期入学の中でも、WLからの繰り上りは私だけなので、後の受験者の方々の参考になればと思い、私の実施したWL対策を記載します。
・ビジネスのUpdate 報告
・追加のエッセイ提出(Alumniと会った経験を踏まえてFuquaへのコミットを見せる)
・スコアアップ(GMAT 660 -> 710)報告 Fuquaは上記の対策を実施しました。こうしたUpdateを送るたびに、Admissions のConnieが「Nice job Hiro – hang in there!」と励ましてくれ、モチベーションを維持できました。この時期は結構モチベーションをいかに保つかがポイントだと思います。他のWL校では、 卒業生や在校生の方々に励まされ、追加の推薦状をお願いした学校もあります。WLからの繰り上がりは一般的にハードルが高いと言われますが、信じてやれる だけのことをやって損はないと思いますし、やらぬ後悔よりやった後悔の方が、納得感があると思います。ぜひWLになった方も諦めずに頑張ってください!

フルブライト奨学金

こ れも少しユニークな点なので、参考になればと思い記載しました。私は今回、幸運にもフルブライト奨学生として留学することができました。5月のオンライン 提出で研究テーマの概要を決め、7月にエッセイ(Why MBAとPersonal Statementに相当)を書かなければならないので、タイミング的にはスコアメイクと並行する方が多く、かなり負担はかかるのですが、この段階でエッ セイの柱ができたのは、その後の準備で心に余裕ができました。GMATのスコアメイクに苦労をしていたので、エッセイの方にある程度めどが立っていたのは 精神的にも落ち着きました。実際に7月に提出するかどうかは、スコアメイクとのバランスをみながらカウンセラーとの相談になるかと思いますが、余力があれ ばぜひおススメします。 フルブライターは6月に米国大使館で開催される駐日米国大使主催のレセプションパーティに参加します。ここで色々な分野にわたるフルブライターとの交流を 深めることができるので、ビジネススクールに加えてネットワークの幅を広げることができ、留学へのモチベーションがあがります。

Applicantのみなさんへ

世の中には、すんなりとトップスクールの合格を決める人もいれば、合格を掴むまでとても苦労をする人がいると思います。私は、断然後者のほうで、MBA受験を通じて起こり得る様々な苦難を体験したと思います。
・スコアが伸びない辛さ焦り ・環境の変化による仕事×家庭×受験の微妙な舵取り
・Waiting Listからの繰り上がりを待つという悶絶するような日々
GMATのスコアがなかなか出ずに、WLからの繰り上りを待っていた4月は家族ともども精神的に堪えました。それでも最後まで諦めずに粘り強く取り組み、 合格を掴むことができたのは、絶対に合格するという強い意志と苦しみを共有しながら励ましあえる仲間の存在があってこそだと思います。これから受験する皆 様も、ぜひ自分の可能性を信じて、よい仲間と出会い、最後まで諦めずに挑戦し続けて、合格を手にしてください!応援しています。何かあれば、ぜひご相談く ださい!!